国語講師より総評です。
全体的に文章が短く出題され時間的余裕をもつことができたと思います。
評論は文章の論理的つながりをたどるのに少々苦労したかもしれません。
第1問(現代文・評論)
「暮らし」のなかで人々が身の回りの空間とどのように関わるのかについて論じたもので,昨年よりもやや文章量が少なくなっています。
本文は抽象的、観念的な表現が多く、読み取りが難しかったと思われます。本文の論理的なつながりが正確にたどれないと、誤りの選択肢に引っかかってしまったかもしれません。
漢字は第一問がやや難しかったです。
第2問(現代文・小説)
文章量は少なめで,設問も例年並の難易度でした。
「私」の境遇を「たま虫」に投影する形で書かれており、その状況下での主人公の心情をうまく汲み取れるかどうかが鍵となっていました。出題意図がつかみづらく、消去法に頼らなければ答えが出しにくい問題も見られたものの、小説の過去問で演習してきた人にとっては真新しいものではなかったと思います。
第3問(古文)
本文は昨年よりも大幅に短くなり、和歌を含むものの読みやすい文章でした。
文法問題は基本的なもので,基礎的な勉強が功を奏したことでしょう。
ただ前後の脈略も見て解く必要がある出題もあり,文法理解に加え読解も必要であることがわかります。
第4問(漢文)
文章をしっかり理解しようとすると難しかったかもしれませんが,設問自体は標準的な問題でした。
新たに出題された問7では、全文の理解が問われましたが,これも設問としては難易度は高くありません。センターでは新しい設問が出題されることがあるので,面食らわずに対応していきたいところです。
今後の対策
個別試験では設問形態は異なるものの,文章読解の仕方が変わるわけではありません。今回足りない部分があれば見直し,新たな問題形式に備えてください。記述式問題では,設問で聞かれていることにそのまま答えることが大事です。自分の解答が,設問文への直接的な答えになっているか,しっかりチェックしましょう。