<高3>穴埋め&リハーサル段階に進むべし

気温がぐっと下がってきていますね。涼しくなればなるほど、なんとなく追い立てられるプレッシャーが増すように感じているのが高3諸君ではないでしょうか。
秋深まれば冬が近づき、冬がくればいよいよ受験シーズン到来。
センター試験の出願も終え、早くもがけっぷちに立たされた気分でいる塾生もいそうです。
そんな塾生には、「まだまだ時間はたっぷりありますよ」と申し上げたいと思います。

ただし正確に言えば、試験科目を基礎から学び直す時間はありません。
では、何をするための時間があるのか?……「弱点克服」と「リハーサル」です。
絨毯爆撃的な詰め込み学習は、この夏で完了しました。頭にいれるべき内容には、もうひと通り触れてきたことになります。
今後のミッションは、大事なところにあいた穴をひとつひとつ埋めていくこと。
地道な作業ですが、目標の定めやすい、先の見えやすい作業でもあります。

この穴埋め作業において指標となる役割を果たしてくれるのが、全国模試です。
これまでは、”なんとなく”受けてきてしまっていた人も多いと思います。
しかし今後は、ひとつひとつの模試を、本番のつもりで受けてください。
そしてそこで解けなかった問題=「穴」の部分を、徹底的に補強すること。

受験にかぎらず、あらゆる装置や薬など、社会や人体にとって重要なものほど本格運用の前にはくり返し試運転や臨床試験などでチェックを行い、徹底的に問題点を洗い出して解決するという段階を踏みます。「一発勝負」で人体や社会を危険にさらすわけにはいかないからです。
入学試験が皆さんひとりひとりにとってどのくらい重要なものかを考えれば、模擬試験がリハーサルの場としていかに重要かも見えてくるはずです。
問題の解き方はもちろん、朝起きてから試験会場までの動き、心がまえなど、試験当日のつもりで模試を受けましょう。

穴の発見→克服、そしてリハーサル。今の段階からこれらを心がけていれば、入学試験本番にむけて、着々と準備が整ってゆくはずですよ。
そのための時間は、たっぷりあります。

東京オリンピックを目指す選手と塾生諸君

夏の日照時間が長く秋への気温変化が激しかった今年は、紅葉が美しく色づくことが予想されています。楽しみですね。

さてこの秋には、「2020年東京オリンピック招致決定」という特大ニュースがありました。多くの塾生は、7年後の自分はいくつになっているだろう……と数えてみたのではないでしょうか。13歳の中学生は20歳に、17歳の高校生は24歳に。想像がつきましたか? 7年先というと、若い諸君にとっては雲をつかむような遠い話に感じられるかもしれませんね。

2020年東京オリンピックでの日本のメダル獲得数目標は金30個だそうです。(※ちなみに昨年のオリンピックでの獲得金メダルは7個)
このどえらい目標をめざす選手の核となるのは、まさに今の塾生諸君と同年代、13歳~18歳のアスリート達。
2020年のオリンピックがもしイスタンブールに決まっていたら、状況はずいぶん違っていたはずです。しかし、他のどこでもない、日本の首都東京でおこなわれるオリンピック。世界はもちろん、日本国内での注目度はここ半世紀でもずば抜けたものとなるでしょう。現在13歳~18歳のアスリート達は、早くも大きな期待とプレッシャーに包まれながら、戦いを始めています。

オリンピックの舞台に立つための7年間は、彼らにとって決して長すぎはしません。
まずは学校で1番になり、地域で1番になり、セレクションを突破してエリート教育のもとで力を伸ばし、国際大会での経験を積み、結果を出し、国の指定する強化選手に選ばれ、そこでも結果を出して、ようやくオリンピアンに選出される。全国の競技者のうちほんの数人ずつしか選ばれないのですから、出場選手の多くは東大入学よりもよほど狭き門をくぐることになります。
彼らは今、すでにピリピリするような緊張感のなかで7年後を目指して練習しています。

塾生の皆さん、彼らと自分とは、たとえ同年代でもまったく世界が違うと感じますか? 関係ないと思いますか? そう思う塾生は、もう一度始めから考え直すがよろしい。
オリンピックに出場することと勉強で身を立てることとの間には一見、確かに大きな隔たりがあるように感じられます。しかし確たる目標を持つこと、たゆまぬ努力を続けること、強い心を育むこと……スポーツでも勉強でも大切なことはこの3点。この先に、それぞれのゴールがあるのです。皆さんにとってのゴールはオリンピックを目指す同年代の選手たちよりももっと先にあるかもしれませんね。なにしろ、人それぞれです。

今後、テレビなどで同年代のアスリートの姿を目にすることが増えると思います。
その都度、自分を振り返って、自分の目標とはなんなのか、自分も彼らと同じくらい努力できているかを考えてみましょう。
そんな意味では、2020年に東京にオリンピックが来ることは、皆さん自身にとっても幸運なことかもしれませんね。