公文国際学園中等部・高等部

「自学自習」が時間割に埋め込まれた6年間――公文国際学園という設計

公文国際学園中等部・高等部(横浜市戸塚区小雀町777)は、「21世紀の国際社会で活躍できる人材を育てる」を掲げる共学校です。JR東海道線「大船駅」西口からバス8分「小雀」下車徒歩5分、登校日は大船駅からの直通バスも運行されています。男女別寮があり、全国からさまざまな背景を持った生徒が集まること、5〜6人に1人が帰国生であること、そして校則や制服がないこと。在校生自身が「公文国際学園の特色は自由なこと」と語り、体育祭や表現祭(文化祭)も生徒が自主的に企画・運営する――そんな自由と自律の学校です。

ただ、保護者の方に最初に押さえていただきたいのは、「自由な学校」という印象の裏側にある、もうひとつの顔です。公文国際は、毎朝8時20分から20分間の朝学習で基礎学力と学習習慣を鍛え、週1回の公文式放課後教室(中2までは主要3教科から1教科必修)を時間割に組み込み、中1の希望者には約4か月間の寮生活を体験する「寮体験プログラム」(19時45分〜21時50分には集団学習の時間があります)まで用意している学校です。つまり、多くの学校が「家庭学習」として各家庭に委ねている部分を、学校の仕組みとして持っている。自由なのは校則や制服であって、学習習慣づくりはむしろ構造化されている――ここが公文国際を読み解く軸になります。

時間の枠も特徴的です。2期制で、授業は1コマ60分×5時限(登校8時40分・下校18時)。土曜は毎週休みで、クラブ活動や外部試験などにあてられます。平日に濃く学び、週末は自分の裁量で使う、という時間設計です。以下、この構造を前提に、数学・英語・定期テスト・進路設計を実務目線で整理します。

公文国際の数学カリキュラムとつまずきやすいポイント

中1から習熟度別、中3終了時に高1相当まで

公文国際のカリキュラムは中高6年間を3期に分けています。基礎期(中1・2)は基礎学力と学習習慣の定着、充実期(中3・高1)は高校課程の学力充実と主体的な学びの姿勢、発展期(高2・3)は選択授業の枠を広げた自由度の高いカリキュラム、という設計です。数学は中1から習熟度別授業で進み、中3終了時には高1相当の内容まで到達します。週あたりの時間数は中1〜中3とも4コマですが、1コマが60分なので、コマ数の見た目以上に実時間は公立の課程より多く取られています。

進度としては、中学のうちに高校内容へ足を踏み入れる中高一貫らしい先取り型です。習熟度別が中1から入るということは、日々の理解度がクラス編成という形で定期的に可視化されるということでもあります。ここで大切なのは、習熟度のクラスを「評価」ではなく「現在地の表示」として使うことです。上のクラスにいるかどうかより、いま扱っている単元が本当に手を動かして解ける状態か――そこを家庭では見てあげてください。

数学でよくあるつまずき

  • 60分授業は1コマの情報量が多く、授業内で「分かった」で終わると、解き直しの前に次の単元が来る
  • 中3で高校内容に入るため、中学範囲の穴が高校課程の伸び悩みとして遅れて現れる
  • 習熟度別のクラス移動に気を取られ、「クラスの上下」が目的化して単元の完成度がおろそかになる

リープエンジンでのサポート(数学)

  • 中3終了時に高1相当という進度を前提に、学年ごとの到達目標を設定して共有
  • 60分授業で扱った内容を「その週のうちに手で解き直す」復習の型づくり
  • 高校内容に入る充実期の手前で、中学範囲の穴を単元別に点検・補修

公文国際の英語教育の特徴と対策

経験度別の少人数クラスと、外国人教員・日本人教員の両輪

公文国際の英語は、入学前の英語経験の程度によってクラスを分割した少人数制授業で進みます。帰国生が5〜6人に1人という環境ですから、入学時点の英語力に大きな幅があるのは前提で、それをクラス分割で受け止める設計です。外国人教員と日本人教員による指導で「読む・書く・聞く・話す」の力をバランスよく修得することを掲げ、各学年の英語には英会話が含まれます。週あたりの時間数は中1〜中3とも5コマ(60分)で、主要5科の中で最も厚く取られています。習熟度別は英語も中1から高3まで続き、中1〜高2では全員がGTECを受検します。

この環境で保護者の方に意識していただきたいのは、「まわりに英語が得意な子が多い」ことと「うちの子の英語が伸びていない」ことは別の話だ、という点です。経験度別のクラス編成は、まさにそのために置かれています。比べる相手は帰国生ではなく、半年前の本人です。クラス分割の枠内で、語彙と構文の基礎を着実に積めているかを見てください。

英語でよくあるつまずき

  • 「話せる・聞ける」の手応えに比べて、文法・構文の精度が後回しになり、読解や英作文で失速する
  • 単語を綴り中心に覚え、「見た瞬間に意味が出る」語彙量が不足して長文で時間切れになる
  • GTECなど外部検定のスコアと定期テストの点が連動せず、どちらを軸に勉強すべきか迷子になる

リープエンジンでのサポート(英語)

  • 朝学習と同じ「毎日少量」のリズムで本文の構文どり・音読・要約を回し、「読める」を「解ける」に変換
  • 単語は「見て意味が出る」を先に、綴りは後から仕上げる覚え方の型を家庭学習に接続
  • 検定対策と定期テスト対策を別物にせず、語彙・構文の同じ土台に載せて往復させる

公文国際の定期テストと6年間の学習設計――2期制×60分×土曜休みをどう使うか

公文国際は2期制です。学期の区切りが少ないぶん、一度の定期テストが背負う範囲は広くなりがちです。しかも1コマ60分の授業で日々進む量が多いので、「テスト前にまとめて追い上げる」型は他校以上に苦しくなります。試験前の詰め込みではなく、週単位で積む設計が合う学校です。

幸い、公文国際にはそのための装置がすでにあります。毎朝20分の朝学習、週1回の公文式放課後教室、寮体験プログラムなら夜の集団学習。学校自身が「毎日決まった時間に机に向かう」仕組みを時間割に埋め込んでいるのです。家庭の役割は、この仕組みと同じリズムを家庭学習側にもう一本つくることです。

  • 土曜が毎週休みなので、「土曜の午前に平日5日分の数学・英語を解き直す」といった固定枠を決めやすい。クラブや外部試験と両立させるなら、先に学習枠を予定表に置いてから残りを埋める順番にする
  • 広い試験範囲は、試験発表を待たずに「単元が終わるたびに1周目を済ませておく」。試験前は2周目・3周目に専念できる状態を目指す
  • 朝学習で扱う基礎と、授業・テストで問われる応用を別物にしない。朝の20分を「先週の間違い直し」にあてると、学校の仕組みがそのまま復習装置になる

もうひとつの変数が、部活と行事です。公文国際には約20の部・同好会があり、全国大会・関東大会に出場する部も多数あります。学校は異なる年齢の生徒で構成される部活動を人間形成の上で重要と考え、行事を人間教育の柱と位置づけています。全学年で行う二大行事の体育祭・表現祭は生徒の自主性を尊重して運営され、中1のふれあいキャンプや職場体験、中2の冒険型体験学習、生徒の企画・投票で決めた6テーマからなる中3の日本探究と、体験学習も6年間を通して続きます。これらに使う時間は学びとして価値がある一方、家庭学習に回せる時間を左右する変数でもあります。土曜休みという自由な枠があるからこそ、「何にどれだけ使うか」を親子で先に決めておくことが効いてきます。

校則も制服もない自由、行事や部活の自主運営――この学校の6年間は、自分で決める場面が多い6年間です。学習面も同じで、与えられた仕組み(朝学習・放課後教室)を「やらされる時間」で終わらせるか、自分の弱点補強に引き寄せて使うかで、同じ時間割から得られるものが大きく変わります。

公文国際の進路設計――3期制の「発展期」から逆算する

これは、公文国際にお子さんが通われているご家庭・進学を検討中のご家庭に向けた、進路設計の話です。

高校卒業後の進路は、その春に4年制大学へ進む層が多数派で、もう一年かけて志望を通す層も一定数いる、という形です。指定校推薦の枠は国公立・私立の有力大学に一定数ありますが、主戦場はあくまで一般受験と考えて設計するのが本線です。この構図は年度により入れ替わるので、具体的な数字はその年の学校配布資料や説明会で確認するのが確実です。

設計の手がかりは、学校自身の3期制です。基礎期(中1・2)で学習習慣と基礎学力、充実期(中3・高1)で高校課程の充実、発展期(高2・3)で個々の希望進路にあわせた自由度の高いカリキュラム――つまり高2からは、選択授業の組み方そのものが進路選択になります。逆算すると、高1までにどの教科も「選べる状態」を保っておくことが最大の布石です。特に数学は、高1の時点での手応えが文理選択の実質的な決め手になりやすい教科です。高3では難関大受験者対象の放課後学習ゼミも設けられており、受験学年の追い込みまで校内の支援体制が続きます。

そして正直に申し上げると、公文国際は「今は塾を急がない」という判断が成り立ちやすい学校です。毎朝の朝学習、週1回の公文式放課後教室、高3の放課後学習ゼミ――自学自習の仕組みが校内で完結している度合いが高いからです。この仕組みに乗れていて、週の内容が週のうちに定着しているなら、外から枠を足す必要はありません。塾の出番は、60分授業の進度に解き直しが追いつかなくなったとき、2期制の広い試験範囲で穴の場所が見えなくなったとき、発展期を前に特定教科の谷が深くなったとき――崩れた部分だけを立て直す形で足せば十分です。

公文国際の6年間を、自分で選び取る力に

寮に集まる全国の生徒、5〜6人に1人の帰国生、スイス・レザンの併設校(スイス公文学園高等部)、高1全員が4か国に分かれて臨む「世界探究」、毎年数十名を派遣する模擬国連。公文国際学園は、視野を外へ広げる材料に恵まれた環境です。同時に、毎朝の20分から夜の集団学習まで、足元の学習習慣を支える仕組みも持っています。この「外への広がり」と「足元の型」の両方を活かせたとき、公文国際の6年間は大きく実ります。

リープエンジンは、中高一貫校専門の伴走役として、公文国際の設計(60分授業×2期制/数学は中1から習熟度別/3期制カリキュラム)を踏まえ、「いつ・何を・どのレベルまで仕上げるか」を具体的に設計します。学校の仕組みを最大限に使い、足りないところだけを補う――そんな形で、お子さまの6年間を支えます。

文責:リープエンジン編集部 ・ 最終更新 2026-07-31