成城中学校・成城高等学校

先取りを「速さ」で終わらせず、自学自習につなげる

成城中学校・成城高等学校では、中学段階から単元ごとに高校内容へ踏み込む「単元別先取り授業」が行われています。中学卒業時には主要教科がおおむね高校1年相当まで進むため、6年間を使って大学受験に備えられるカリキュラムです。

ただし、先取りの価値は、早く学ぶこと自体にあるのではありません。授業で理解した内容を家庭学習で定着させ、必要なときに自分で戻れる状態をつくることが重要です。学校が掲げる「自学自習」を、日々の勉強の手順にまで落とし込めるかどうかが、6年間の伸び方を左右します。

成城の概要

成城は、「知・仁・勇」を校訓とする男子進学校です。2021年度から完全中高一貫校となり、カリキュラムも改編されました。文武両道と「成城版グローバル教育」を掲げ、学力と学校生活の双方を重視しています。

中学では英語・数学・国語・社会・理科に厚く授業時間を配分しています。居残り学習や指名制補習、夏期・冬期の進学講習も用意されており、学校内で学び直す機会を確保しながら、自分で学習を進める力を育てる設計です。

成城の数学カリキュラムとつまずきやすいポイント

成城の中学数学は週5時間です。「単元別先取り授業」では、すべてを一律に先へ進めるのではなく、単元ごとの理解に応じて高校内容に踏み込みます。中1には、プログラミングなどを扱う独自授業「数学統計」もあります。

このカリキュラムで注意したいのは、進度だけを見て「先取りできている」と判断しないことです。授業中には分かった内容でも、数週間後に自力で解けなければ、次の学習を支える土台にはなりません。途中式を再現できるか、解法を選んだ理由を説明できるかまで確認する必要があります。

中高一貫校の数学では一般に、学校で使う問題集を一度提出して終わりにせず、テスト範囲を複数回回す前提で組むと定着が安定します。目安は3周です。

  • 1周目は、未理解の問題と計算ミスを見つける
  • 2周目は、印を付けた問題を自力で解き直す
  • 3周目は、時間を置いても解法を再現できるか確かめる

進度に追いつくことより、どの単元まで戻れば解決するかを特定することが先です。勉強の手順そのものが定まっていない場合は、相談学習で短期間だけ学習習慣を整え、その後は自分で回せる状態を目指します。

英語教育の特徴と対策

成城では、中1から中3まで英語が週6時間あり、少人数の英会話も行われます。高校では、高1・高2に外国人講師によるライティング特化授業が週1時間設けられています。中3で英検準2級から2級程度に届く生徒も一定数おり、読む・聞くだけでなく、話す・書く力まで段階的に伸ばす構成です。

英語で優先したいのは、語彙を短期間で完璧に覚えようとすることではなく、同じ範囲への接触回数を増やすことです。まずは英単語を見て日本語の意味を言える状態を目指し、同じ範囲を毎日回します。少量を一度で仕上げるより、まとまった量に繰り返し触れるほうが、授業の理解にもつながります。

文法や英文を解くときも、丸つけを最後にまとめないことが大切です。短い区切りごとに確認し、難しい内容では大問ごとに直します。誤答を放置せず、その場で「単語の不足なのか、文法の理解なのか、英文の読み違いなのか」を分けると、復習すべき内容が明確になります。

英会話やライティングと、定期テストに向けた語彙・文法は別々の勉強に見えますが、土台は共通しています。まず語彙と文法を安定させ、その上で話す・書く練習へつなげる順序が堅実です。

定期テストと6年を見通した学習計画

中高一貫の中1では一般に、最初の定期テストで思うように点が伸びないことは珍しくありません。その多くは、本人の姿勢ではなく勉強量の設計に原因があります。提出物を一周こなしたところで時間が尽き、自分のための解き直しまで届いていない状態です。

中学受験後から入学までの間に勉強習慣が途切れた場合は、いきなり長時間勉強させるより、着手時刻を固定するところから始めます。大切なのは「何時間机にいたか」ではなく、学校教材を何周し、前回の誤答をどこまで解消したかです。

成城は3学期制で、平日は50分授業が6時限、土曜は4時限です。部活動や行事も盛んなため、家庭学習は余った時間に入れるのではなく、先に睡眠時間を確保し、残り時間から逆算します。中高一貫校で運動部が本格化すると、帰宅後の自由時間は限られます。削るべきなのは睡眠ではなく、目的の決まっていない時間です。

6年間の学習は、次のように区切ると見通しが立ちます。

  • 中1は、提出・復習・解き直しの型をつくる
  • 中2・中3は、高校内容へ進む前に苦手単元を残さない
  • 高1は、得意教科と要補強教科を整理する
  • 高2以降は、文系・理系の別や習熟度別授業、選択科目を踏まえて大学受験の学習を具体化する

定期テスト前に学習場所と時間を確保したい場合は、もくもく勉強会を利用できます。特定教科だけ補強が必要なら、アベセ(ABC)をスポットで加える方法もあります。常に支援を増やすのではなく、自力で回らない部分だけを限定して補う設計が基本です。

成城の進路設計——在学中の進路の組み立て

これは成城にお子さんが通われているご家庭に向けた、在学中の進路設計の話です。

進路の出方

成城中学校からは、ほぼ全員が併設の成城高等学校へ内部進学します。一方、成城中高は系列大学を持たない男子進学校です。成城大学を擁する成城学園とは別法人であり、大学進学では一般受験が主戦場になります。

進路は難関国立、早慶上理、GMARCHクラスまで幅広く、一般受験で力を伸ばすことが基本線です。その一方で、早慶上理や明治といった難関私大の指定校推薦も選択肢になります。対象や条件は年度により変わるため、最新の内容は学校配布資料や面談でご確認ください。

だから、こう設計します

進路設計は、一般受験を本線、指定校推薦を保険として考えると整理しやすくなります。通常授業では一般受験に必要な学力を積み上げ、学校の定期テストにも継続して取り組みます。評定を保てれば、後から指定校推薦を検討できる余地も残ります。

評定対策を優先する時期には、必要な教科だけアベセ(ABC)で補強する方法があります。ただし、学校の授業を理解し、復習まで自力で回っているなら、今は塾を急がないという判断で構いません。中学段階で進路を一つに決め切るより、一般受験に耐えられる基礎をつくりながら、評定と本人の希望を見て軸足を調整するほうが現実的です。

成城の先取りを、6年間使える力に変える

成城のカリキュラムには、早い段階から高校内容に触れ、大学受験へつなげられる強みがあります。その強みを生かす鍵は、さらに先へ急ぐことではなく、授業・提出物・解き直しを自分で管理できるようになることです。

定期テストは、その自学自習が機能しているかを確かめる途中の点検です。学校の学びが自力で回らなくなったときは、必要な部分だけを整理する伴走役として、リープエンジンをご活用ください。

文責:リープエンジン編集部 ・ 最終更新 2026-07-11