洗足学園中学高等学校
65分授業×週6日で組む6年間――洗足学園の学びの形
洗足学園中学高等学校は、神奈川県川崎市高津区久本(JR南武線・武蔵溝ノ口駅、東急田園都市線・溝の口駅から徒歩8分)にある女子校です。大学入試改革や学習指導要領の改訂を見すえて、2019年度から授業6日制に移行し、1コマを65分に設計し直しました。平日は65分×5時限(登校8時20分・下校16時45分)、土曜は午前に65分×3時限。3学期制です。50分授業の学校と比べて1コマが長く、1時限の中で説明から演習・確認まで進める前提の設計なので、「授業の中でどこまで仕上がったか」を本人が自覚できているかどうかが、家庭学習の効率を大きく左右します。
教科の設計もはっきりしています。主要3教科はオリジナル教材を活用し、放課後の補習や小テストで理解を確かめながら進みます。中3では主要教科で高校内容を先取りし、高2から希望進路に応じて文系・理系に分かれ、主要教科は選択科目を中心に演習形式で実戦力を鍛える流れです。そしてこの学校の文化を象徴するのが「他流試合」――学外のコンクールやセミナー、模擬国連や科学系オリンピックといった外の舞台への参加を、全学年で奨励していることです。校内で完結せず、外の物差しに触れる機会が日常に組み込まれている。この点は、後述する学習設計にもそのまま活きてきます。
洗足学園の数学カリキュラムとつまずきやすいポイント
わかる楽しさを実感させる授業と、中3からの習熟度別
洗足学園の数学は、「わかる楽しさ」が実感できる授業を掲げ、細かなノート指導も行われます。中3から高3までは習熟度別授業です。中3で高校内容の先取りが始まり、高2からは文理に分かれて演習形式で仕上げていきます。特筆すべきは、数学が文理を問わず学びの柱に置かれていることです。論理的に考え、それを伝える力を数学で育てる、という思想の学校なので、「文系だから数学は早めに手放す」という発想とは相性がよくありません。
65分授業の数学は、1時限の中に演習の時間がしっかり入ります。つまり「授業中に解けなかった問題」がその日のうちに明確になる、ということです。家庭学習は、そこから始めるのが最短です。ノート指導が丁寧な学校なので、ノートの解き直し欄を復習の起点として運用すると、学校の指導と家庭学習が一本につながります。
数学でよくあるつまずき
- 1コマ65分の中の演習で「その場では解けた」ことに安心し、解き直しをせず次の単元へ進んでしまう
- 中3の高校内容入りと習熟度別の開始が重なり、クラスの位置に気を取られて穴の特定が遅れる
- 小テストの直前対策だけで回し、定期テストで単元全体のつながりが問われると崩れる
リープエンジンでのサポート(数学)
- 洗足の進度(中3で高校内容先取り・高2から文理別演習)を前提に、学年ごとの到達目標を共有
- 授業ノートの「解けなかった問題」を起点にした復習サイクルを設計し、学校の指導に接続
- 高2の文理選択を見据えて、数学を「残す」前提での学習配分を一緒に組む
洗足学園の英語教育の特徴と対策
オリジナル教材とTOEFL講座、帰国生が引っ張る環境
洗足学園の英語は週5時間で、高1から高3は習熟度別授業です。オリジナル教材の活用や放課後の補習、小テストで基礎を固めつつ、外国人教師による指導やTOEFL講座の設定など、実践的に使う英語への出口も用意されています。もうひとつ、この学校の英語環境を特徴づけるのが帰国生の存在です。毎年まとまった人数の帰国生が入学し、外国人英語教員による取り出し授業で力を伸ばしながら、学年全体の英語の空気を引っ張る役割を担っています。
一般生にとって、この環境は刺激にも焦りにもなります。押さえておきたいのは、帰国生の英語と受験の英語は伸ばし方が違う、ということです。比べて焦るより、自分の持ち場――語彙を見てすぐ意味が出る水準まで積むこと、構文を正しく取る読み方を身につけること――を淡々と固めるのが、結局いちばん速い。中2〜高2の希望者にはアメリカ・イギリス・オーストラリアでの語学研修、中3・高1にはアメリカでの短期・長期留学制度もあり、土台を作った生徒ほどこうした機会を活かせます。
英語でよくあるつまずき
- 帰国生の運用力と比べて自信を失い、基礎の積み上げまで手が止まる
- 小テスト対応の暗記が中心になり、長文を読み切る体力が育たない
- 高1からの習熟度別でクラスの位置が固定化し、抜け出す道筋を描けないまま時間が過ぎる
リープエンジンでのサポート(英語)
- 英単語の量を「意味の即答」基準で測り直し、小テスト対応と長文の体力づくりを一本化
- 長文を意味のまとまりで区切って読む練習を重ね、「なんとなく」を構文で裏づける精読へ
- 学校のオリジナル教材と入試レベルの長文を橋渡しし、学校の勉強がそのまま受験の土台になる形にする
洗足学園の定期テストと、6年間を見通した学習計画
洗足学園は、学校側の学習支援が厚い学校です。放課後の進学講習や長期休業中の講習が整備され、「通塾に頼らない」サポート体制を掲げています。定期考査前には卒業生による少人数の特別補習もあります。この前提を知っておくと、家庭学習の設計は「学校の仕組みを使い切る」方向に絞れます。
65分×週6日のリズムに合わせた復習の型
- 65分授業は1コマの情報量が多いぶん、その日のうちの見直しが利きます。帰宅後、教科ごとに10分の「今日の授業で解けなかったもの」の確認だけは毎日固定する
- 範囲勉強は「全体を1巡 → 誤答だけをもう1巡 → 前日に総点検」。1巡目の締切だけは試験2週間前と決めて動かさない
- 学校の講習・補習は「呼ばれたら受ける」でなく、穴が見えた時点で自分から使う。支援の厚い学校では、使う側の姿勢で差がつきます
学校生活も活発です。約35の部・同好会があり、加入率は9割を超えます。中高合同の文化祭を筆頭に、中1の白樺湖でのホームルーム研修、中2のグローバルビレッジ、中3の修学旅行(九州)、体育祭、芸術鑑賞会と行事も続きます。部活と行事で埋まる週に定期テスト勉強を重ねない――年間行事と試験日程を並べた「先回りのカレンダー」が、この学校では特に効きます。
「他流試合」と研究論文を、学びの柱として使う
中3と高2では各自がテーマを設定して研究論文を作成します。さらに学外の舞台への挑戦(他流試合)が全学年で奨励され、科学系の大会から模擬国連まで、外の物差しに触れる機会が豊富です。国際的な科学系オリンピックで実績を挙げる生徒も出ています。これは受験勉強の「寄り道」ではありません。自分の興味を一段深く掘る経験は、学部選びの解像度を上げ、学びの動機そのものを強くします。テーマを絞り、調べ、書き切る訓練は、記述型の入試と地続きです。ただし締切型の負荷なので、定期テストの山と重ならないよう、カレンダー上で先に居場所を決めておくのが親の出番です。なお中学の音楽では、ヴァイオリンなどの楽器をひとつ選んで習得するプログラムがありますが、これは情操教育としての位置づけで、進路の話とは別の文脈です。
洗足学園の進路設計――在学中の進路の組み立て
これは、洗足学園にお子さんが通われているご家庭に向けた、在学中の進路設計の話です。
進路の“形”をどう読むか
洗足学園の進路は、現役で決め切る生徒が大半を占める形です。難関国立大・難関私大に厚く、医学部医学科へ進む生徒も毎年います。同じ学園の系列に音楽大学がありますが、中高の進路はそれとは別で、一般受験で外の大学へ進むのが本線です。「生徒が望む進路を実現する」という学校の掲げ方のとおり、文理どちらにも進路が広がっており、数学を高3まで柱に置く設計がその幅を支えています。こうした傾向も固定ではなく年々動きます。実数はその年の学校の公表資料でご確認ください。
だから、こう設計します
洗足の6年間は、「学校の支援を使い切れる生徒」に最適化されています。起点は高2の文理選択ですが、実質的な分かれ目はその前、中3〜高1の習熟度別授業で自分の位置と穴を正確に把握できているかどうかです。ここが曖昧なまま高2の演習期に入ると、選択科目中心の時間割が「何を選べばいいか分からない」自由になります。中3の高校内容入りを丁寧に越えること。そして高1のうちに、全国の物差しで現在地を測っておくこと。この2つが、現役で決め切る流れに乗る要です。
「今は塾を急がない」という選択も、正直にお伝えします
洗足学園は「通塾に頼らない」体制を明確に掲げ、実際に講習・補習・卒業生の個別補習と仕組みが揃った学校です。学校の支援を使い切れていて、定期テストに大きな谷がないなら、外から枠を足す必要はない、というのが正直な答えです。塾の出番は、習熟度別クラスの位置が長く固定化してきたとき、65分授業の消化が「分かったつもり」で流れはじめたとき、他流試合や論文と定期テストの両立で時間設計が崩れたとき。崩れた部分だけを立て直す形で足せば十分です。
洗足学園の6年間を、外の物差しに通用する学力に
洗足学園(神奈川県川崎市高津区久本2-3-1)は、65分授業の密度と、他流試合に象徴される「外に開いた学び」を併せ持つ学校です。校内で完結しない物差しを日常的に持てることは、大学受験でもその先でも、大きな財産になります。
リープエンジンは、中高一貫専門の伴走役として、洗足学園の授業設計(65分×週6日・オリジナル教材・中3からの習熟度別数学)を踏まえ、「いつ・何を・どのレベルまで仕上げるか」を具体的に設計します。洗足学園の6年間が、支援を使い切り、外の舞台でも通用する学力を残す時間になるよう、外部の力の出番は絞って、賢く使っていきましょう。