芝国際中学校・高等学校
一日の両端に「計画と演習」を置く学校──芝国際の6年間の読み方
芝国際中学校・高等学校は、東京都港区にある共学の中高一貫校です。最初にひとつ、大事な区別から。同じ港区に芝中学校・芝高等学校(男子校・芝公園)がありますが、本記事でご案内するのは、それとは別の学校である共学の芝国際中学校・高等学校です。校名が似ているため、検索や資料請求の段階で取り違えが起きやすいので、まずここを押さえてください。
芝国際は2023年度に開校した、まだ新しい学校です。「世界標準の学びで、“真の国際人”を育てる」を掲げ、教育理念「人の中なる人となれ」と、「挑戦・行動・突破 そして貢献へ」の精神のもと、地上12階の校舎に最新の学習環境を備えています。多彩な学びを実現する4つのラボ、ステラシアター、アリーナといった設備も特徴です。JR「田町駅」から徒歩5分、都営「三田駅」から徒歩2分と、通学の便もよい立地です(東京23区からの通学が71%を占めます)。
課程の骨格は2コースです。中学から文系・理系の両方をにらみ、医学部も視野に入れた高度な授業で最難関国公私立大合格を目標とする「本科コース」と、インターナショナルエデュケーターとのダブル担任制をしき、英語を軸とした教育活動で海外大への進学をめざす「国際ADVANCEDコース」。いずれも授業は対話形式で行われます。
そして、この学校の学習面を読み解く鍵は、一日の「両端」にあります。朝は始業前に「Check & Follow」の時間を設け、計画的に課題をこなすことで基礎力の養成をはかる。放課後には大学入試への対応力を高める「芝国際塾」や、海外大の受験者向けの「SAT対策講座」が置かれ、部活や芝国際塾がない日もチューター常駐の自習室が使えます。つまり、「計画を立てて課題を回す時間」と「演習して仕上げる時間」の両方を、校内の一日の中にあらかじめ組み込んである設計です。この設計をどう使い切るかが、芝国際の6年間の勘どころになります。
一日・一週間の枠
3学期制、50分×6時限、登校8:20・下校18:00、土曜も通常授業が50分×4時限ある週6日制です。始業前のCheck & Followから放課後まで、学校にいる時間そのものが長めに設計されています。家庭学習を考えるときは、「家で何時間やるか」より先に、「校内に置かれた朝と放課後の時間で何を終わらせてくるか」を決めるほうが、この学校では実態に合います。
芝国際の数学カリキュラムとつまずきやすいポイント
週5コマを6年間、対話形式で進む
芝国際の数学は、中1から中3まで各学年週5コマ。3年間の合計は15コマで、主要5科全体では計73コマと、公立の課程(計55)よりはっきり厚く時間が取られています。本科コースは、医学部も視野に入れた高度な授業で最難関国公私立大合格を目標とする課程ですから、数学はその中核を担う教科です。
特徴的なのは、授業が対話形式で行われることです。知識の習得だけでなく実社会での活用法にまで踏みこみ、課題解決能力をつちかう──という方針は、数学でいえば「解き方を教わって覚える」のではなく、「なぜそう解くのかを言葉にする」場面が授業の中に多い、ということを意味します。観測機の打ち上げやプログラミングなどに挑戦するSTEAM教育にも力を入れており、数学が「教室の中の教科」で閉じない設計です。
数学でよくあるつまずき
- 対話形式の授業は、その場では分かった手応えが出やすい反面、「自分ひとりで最後まで解き切る」練習が不足しやすい
- 週5コマのペースで進むため、一度つまずいた単元を放置すると、追いつくための時間を自分で作る必要が出てくる
- 朝のCheck & Followで課題を「こなす」ことと、テストで「解ける」ことのあいだの段差に、テスト本番で初めて気づく
リープエンジンでのサポート(数学)
- 授業で扱った単元を「自力で解き切れるか」の基準で仕分けし、演習の優先順位を明確化
- Check & Followの計画の立て方まで含めて、「校内の時間で何を終わらせるか」を一緒に設計
- 高度な内容に入る前提となる基礎単元の穴を、学年をさかのぼって特定・補修
芝国際の英語教育の特徴と対策
3年間で計21コマ──主要5科でもっとも厚い教科
芝国際の英語は、中1から中3まで各学年週7コマ。3年間の合計は21コマで、数学・国語(各15)を大きく上回る、主要5科でもっとも厚い教科です。中1・2で各2時間、中3で1時間の英会話が含まれます。習熟度別授業も英語には中1から高3まで置かれており、英語を学校の看板として据えていることが、コマ数の配分からはっきり読み取れます。
外部検定への接続も明確で、本科コースは全員が英検を、国際生は中2・3で全員がTOEFL ITPを受検します。国際ADVANCEDコースはインターナショナルエデュケーターとのダブル担任制で、英語を軸とした教育活動が学校生活全体に及びます。6年間のうちに一度は海外に行く機会を設けており、北米地域での研修、アジア地域の英語キャンプ、オーストラリアやニュージーランドへのターム留学など、行き先の選択肢も幅広く用意されています。
英語でよくあるつまずき
- 週7コマの物量に対して復習が追いつかず、「授業には出ているのに定着していない」状態が起きやすい
- 英会話や検定対策など活動の種類が多いぶん、文法・構文の体系的な整理が後回しになりやすい
- 検定のスコアと定期テストの点数は測っているものが違うため、片方の結果だけで英語力を判断してしまう
リープエンジンでのサポート(英語)
- 週7コマ分の授業内容を「文法の幹」に沿って整理し直し、活動量を体系的な力に変換
- 単語は「見て意味が出る」状態を先に作り、検定と定期テストの両方に効く土台を優先
- 英検・TOEFLの目標時期から逆算して、学校の進度と検定対策の両立プランを設計
芝国際の定期テストと6年間の学習設計
芝国際の定期テスト対策は、この学校特有の資源──朝のCheck & Follow・放課後の芝国際塾・チューター常駐の自習室──をどう配置するかで決まります。ポイントは、校内に「時間」は十分に用意されているので、足りなくなるのは時間ではなく「その時間で何をやるかの設計」だ、ということです。
課題を「こなす」と「仕上げる」を分ける
Check & Followは、計画的に課題をこなして基礎力を養成する時間です。ここで大切なのは、課題の消化とテストの仕上げは別の作業だと家庭でも共有しておくことです。課題が全部出せている状態は、スタートラインであってゴールではありません。テスト2週間前からは、自習室の時間を「新しく進める」から「解き直して仕上げる」に切り替える。間違えた問題だけを2周目・3周目で絞り込んでいく。この切り替えの号令を自分でかけられるかが、点数の分かれ目になります。
行事・部活と両立する「先に決める」習慣
芝国際は、学校行事の企画・運営や部活の立ち上げを生徒自身にゆだねている学校です。プログラムづくりからはじめる体育祭・文化祭、旅行会社との交渉も行う修学旅行──開校からの歴史が浅く「前例」がないぶん、生徒が自分たちで作る場面が多く、その分エネルギーも時間も使います。さまざまな背景を持つ生徒が集まる中で、お互いを尊重し、ともに行動するにはどうすればよいかを考える「コスモ」の学びを重視しているのも、この学校らしいところです。
だからこそ、行事の前後は「学習時間が減る週」として先に計画に織り込んでおくのが現実的です。減ること自体は問題ではありません。減る週を見込まずに計画を立て、崩れたまま次のテストを迎えることが問題なのです。Check & Followで培う「計画的に課題をこなす」習慣は、まさにこの局面でこそ生きます。
芝国際の進路設計──課程の構造から考える
ここは正直に前提からお話しします。芝国際は2023年度開校で、開校から日が浅く、卒業生の進路はこれから積み上がっていく段階です。したがって、進学実績の傾向や進路の出方について、現時点で語れるデータはありません。実績の数字ではなく、課程がどういう出口に向けて設計されているか──構造だけを見ていきます。
構造は明快です。本科コースは、最難関国公私立大合格を目標に置き、医学部も視野に入れた高度な授業で進む課程。国際ADVANCEDコースは、英語を軸に海外大への進学をめざす課程です。そして校内には、放課後に大学入試への対応力を高める「芝国際塾」と、海外大の受験者向けの「SAT対策講座」が置かれ、個々によりそった指導を行うとされています。つまり、受験に向けた演習の場を外部に丸投げせず、校内に持とうとする設計です。なお、コース編成や講座の内容は年度により変わりうるので、最新の状況は学校の説明会・配布資料でご確認ください。
「今は塾を急がない」という選択も、正直にお伝えします
この構造を踏まえると、芝国際のご家庭にまずお伝えしたいのは、校内の仕組みを先に使い切ってください、ということです。朝のCheck & Followで課題の計画が回り、放課後は芝国際塾や、チューター常駐の自習室で演習の時間が取れている──この循環が機能しているなら、外から急いで枠を足す必要はありません。一日の両端に計画と演習が組み込まれた学校で、同じ機能を外部に二重に持つのは、時間の使い方としてもったいないからです。
塾の出番は、この循環のどこかが目詰まりした時です。課題はこなせているのにテストの点に結びつかない。英語の物量に整理が追いつかなくなった。数学で、さかのぼって埋めるべき穴がどこにあるか自分では特定できない──そうした「校内の仕組みだけでは切り分けられない部分」が見えてきた時に、その部分だけを立て直す形で足せば十分です。
新しい学校の6年間を、設計で生かす
芝国際(東京都港区芝4-1-30)は、歴史の蓄積の代わりに、設計の明快さを持っている学校です。朝のCheck & Followと放課後の芝国際塾・自習室という一日の両端、英語に厚いコマ配分、目標の異なる2つのコース。前例がまだ少ないからこそ、行事も部活も生徒が立ち上げ、学びの仕組みは校内にはっきりと形が作られています。
リープエンジンは、中高一貫校専門の伴走役として、芝国際のこの設計(Check & Followの計画習慣・週7コマの英語・対話形式の授業)を前提に、「校内の時間で何を終わらせ、家庭で何を仕上げるか」を具体的に組み立てます。まずは学校の仕組みを使い切ることから。そのうえで足りない部分が見えたら、必要なところだけご相談ください。