渋谷教育学園幕張中学校・高等学校

「自調自考」を核にした、挑戦的で自由な6年間

渋谷教育学園幕張中学校・高等学校(通称「渋幕」)は、千葉市美浜区若葉にある男女共学の中高一貫校です。JR京葉線「海浜幕張駅」から徒歩10分、京成幕張駅・JR幕張駅からも歩ける立地で、「生徒一人ひとりを大切にして、個性豊かな人間を育てる」ことを掲げています。渋幕の教育の中心にあるのは「自調自考」――自ら調べ、自ら考える姿勢です。特徴的なのは、校外研修などの行事で「現地集合」が採り入れられている点。在校生自身が「一番の特色は、校外研修での現地集合や、チャイムがならないといった『自調自考』の精神」と語るように、行き方もスケジュールも、生徒が情報収集し、判断し、行動することが前提になっています。すべての行事を「自調自考」の精神で生徒自身が積極的に取り組む場とする、というのが学校の言い方です。一方で、渋幕は「自由=放任」ではありません。行事も探究も厚いからこそ、成績と受験を安定させるには、早い段階で“自分の学習設計図”を持てるかが勝負になります。

渋幕の一日・一週間──6年間を3ブロックで積む時間割

学習面の渋幕を理解する入口は、時間の枠組みです。3学期制で、平日は50分授業を6時限、登校は8時25分、下校は18時00分(冬季は17時30分)。土曜日にも通常授業が50分×4時限置かれた週6日制です。長期休暇中は、夏期に希望制の講習が実施されます。

時間割の中身を見ると、渋幕の設計思想がはっきり出ています。主要5教科の週あたりのコマ数は、中1・中2・中3のどの学年でも英語6・数学6・国語6・社会4・理科4(計26コマ)。3年間の合計では英数国が各18コマずつの同じ厚みで、5教科計78コマ――公立中学校の課程(計55)と比べて大幅に多い時間を、英数国の“3本柱”に同じ形で配り続ける時間割です。学年が上がると配分が変わる学校も多いなかで、渋幕は3年間ずっと同じ形。基礎の柱を6年間の前半でぶらさずに積む、という意思が時間割そのものに表れています。

この土台の上に、中高6年間を3つのブロックに分けた一貫教育が乗ります。Aブロック(中1・2)は少人数のクラス編成で基礎学力の充実をはかり、主要5教科に多くの時間を割いて「無理のない先取り学習」を進める。Bブロック(中3・高1)から高校の学習内容に入り、中3終了時には英数国理社のいずれも高1相当まで到達します。Cブロック(高2・3)で各自の進路に応じて文系・理系に分かれる――という流れです。科目ごとに作成したシラバス(学習内容の解説書)が用意されており、この先取りの道筋を家庭からも見通せるのは、学習計画を立てるうえでありがたい点です。

なお、渋幕は約50のクラブがあり、多くの生徒が加入する部活の盛んな学校でもあります。2日間にわたって熱戦を繰り広げるスポーツフェスティバル、クラス対抗の合唱祭、槐祭(文化祭)と行事も活発で、中1・2の校外研修・宿泊研修、中3の修学旅行が続きます。週6日制で授業時間が確保されているぶん、部活・行事にどれだけ時間を使うかが家庭学習の変数になる――この前提を押さえておくと、「その週の内容をどこで定着させるか」の設計が立てやすくなります。

環境面では、6万冊以上の蔵書をほこる図書館や、開校時からある天文台(2021年に最新鋭の望遠鏡を設置)、講堂・茶室などがそろい、「自ら調べる」学びを支える器も厚い学校です。昼食は弁当持参が原則ですが、カフェテリアで日替わりランチやカレー、麺類なども利用できます。生徒構成は男子が多めの共学で、通学圏は千葉県内が6割、東京23区からも3分の1ほどが通っています。

渋幕の数学カリキュラムとつまずきやすいポイント

週6時間の明示配当──学校自身が「特に力を入れる」と言う教科

渋幕の数学を考えるとき、まず押さえたいのは配当時間です。学校は「数学には特に力を入れており、理解を深めるため週6時間を配当する」と明言しています。中1から中3まで毎年週6コマ、英語・国語と並ぶ最大の厚み。Bブロック(中3・高1)から高校内容に入り、中3終了時には高1相当まで進む先取りを、この6コマの反復量で支える構造です。

裏を返すと、週6コマは「授業に出ているだけで進んでいく量」でもあります。授業密度が高く進度もあるぶん、単元ごとの理解を「その場で終わらせない」姿勢が求められます。授業で理解できても、演習が追いつかないとテストや模試で点になりません。“自分で調べて進める”文化が強い学校だからこそ、つまずいたときに「どこから立て直すか」を言語化できるかが差になります。

数学でよくあるつまずき

  • 週6コマ分の進度に復習が追いつかず、テスト前に“初見の復習”が大量に残ってしまう
  • 基本は解けるのに、思考力問題・融合問題で手が止まる
  • プリント/ノート/問題集の優先順位がつかめず、回し方が崩れる
  • 中3から高校内容に入るため、中学範囲の穴がそのまま高校の伸び悩みにつながる

リープエンジンでのサポート(数学)

  • 渋幕の進度(中3終了時に高1相当・Bブロックから高校内容)を前提に、「次の定期テストで落とさない範囲」と「受験を見据えて伸ばす範囲」を分けて学習の軸を固定
  • 学校教材(問題集・プリント・授業ノート)を“得点につながる順”に整理し、やることを増やすのではなく、やる順番を整える
  • 途中式・記述の添削で、「頭の中の理解」を「答案の得点」に変える練習を継続

渋幕の英語教育──週6コマと、中3の3月に置かれた“締め切り”

全員参加のニュージーランドホームステイが、中学英語のゴールになる

渋幕の英語は、各学年とも週6コマ(うち1時間は英会話)が配当されています。数学・国語と同じ厚みで、「聞く・話す」の時間が毎週の時間割に組み込まれている形です。

そして渋幕の英語カリキュラムには、はっきりした“締め切り”があります。中3の3月に、ニュージーランドで全員参加のホームステイ(約2週間)が実施されるのです。現地の学校の授業に参加して生きた英語を学ぶ――希望者だけの選抜プログラムではなく、全員参加。つまり、中学3年間の英語は「中3の3月に、現地の授業に参加する」という具体的な出口に向かって積まれています。この構造を知っておくと、日々の英語学習の意味づけが変わります。小テストや文法の積み上げは、その先で“使う場面”が課程の中に用意されているのです。高校でも希望者対象にイギリス、シンガポール、ベトナム、アメリカ、北京での研修があり、高2の修学旅行では中国を訪れます。国際教育の一環として、中国語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・ハングルの講座が希望制で開講されているのも渋幕らしいところです。

英語でよくあるつまずき

  • 単語・表現の小テストが直前暗記になり、長文で定着していない
  • 文法は分かるのに、構造把握が弱く読解スピードが上がらない
  • 英作文で「内容はあるのに、自然な英語に整えられない」

リープエンジンでのサポート(英語)

  • テスト範囲ごとに教材を棚卸しし、「ここを落とすと点が崩れる必須パート」を可視化(2週間前から逆算)
  • 本文をチャンク(意味のかたまり)で処理する練習(音読 → 和訳 → 構造確認)で、語彙と読解を同時に強化
  • 和文英訳・自由英作文の添削で、難関大入試も見据えた“論理の通る英文”を型から作る

「自調自考」を、定期テスト・模試・大学受験につなげるために

行事が濃い学校ほど、「いつ・何を」決めるだけで伸びる

渋幕は、スポーツフェスティバル・合唱祭・槐祭に部活動と、学校生活が濃い学校です。だからこそ学力面では、「忙しい時期に何を守るか」を先に決めた家庭が強い。週6日・50分授業で学習量は確保されていますが、その分、放置した弱点は雪だるま式に大きくなります。幸い、渋幕には科目ごとのシラバスがあり、先の見通しを立てる材料は生徒の手元にあります。それを「今週・今月の計画」に落とす部分こそ、自調自考の実践であり、家庭で支えられるところです。

定期テストに向けた進め方の一例

  • 数学:授業の例題・基本の解き直しを“2週間前までに1周”→直前はミスの潰し込みと発展の取捨選択
  • 英語:本文の音読と構造把握を先に固める→問題演習で「設問で落ちる癖」を修正
  • 直前期:間違えた問題だけを集めた“やり直しリスト”で、理解不足とケアレスを切り分け

リープエンジンが伴走できること

  • 学校の年間リズム(授業・行事・夏期講習)に合わせ、「この週はここだけ死守」を具体化して学習計画を現実化
  • 国公立か私立か、医学部や海外大も視野に入れるかなど、志望に応じて科目戦略を分岐
  • 自調自考で培った経験を、答案・志望理由書・面接で“伝わる形”にするアウトプット練習

渋幕の自由度の高い環境は、ハマると本当に伸びます。だからこそ、「本人の主体性」を活かしつつ、学力の土台と受験の勝ち筋だけは外部の伴走役として一緒に固める――その選択肢の一つとして、リープエンジンをご活用ください。

渋幕の進路設計——在学中の進路の組み立て

これは渋谷教育学園幕張にお子さんが通われているご家庭に向けた、在学中の進路設計の話です。

進路の出方

渋幕は系列大学を持たず、大学進学では一般受験が圧倒的な主戦場です。卒業したその春に大学へ進む層が多数派ですが、もう一年かけて第一志望を通す層もかなり太い――これが渋幕の進路の“形”です。志望を下げて滑り込むより、時間をかけてでも行きたい大学で勝負する家庭が一定数いる、と読めます。推薦を保険として当てにするのではなく、まず一般受験を突破できる学力をつくる、という考え方が基本になります。

進路を考えるうえで押さえたいのが、Cブロック(高2・3)の科目設計です。高2で文系・理系に分かれ、文系は地理・歴史、理系は理科を多めに履修する。高3では大幅な科目選択制で学力の深化をはかる。ただし――ここが渋幕らしいところですが――難関大学突破に向けた総合力を養うため、文系で理系科目、理系で文系科目が必修となっています。つまり渋幕では、文理選択が「片方を捨てる選択」にならない。裏を返せば、中学のうちに5教科のどれかを見限る戦略は、高2・高3の履修と噛み合いません。英数国が各週6コマで同じ厚みに配当されている中学の時間割は、この「捨てない設計」の入口として読むことができます。なお、科目選択や講座の編成は年度によって変わりますので、実際の運用は学校配布資料や説明会でご確認ください。

だから、こう設計します

本線は一般受験です。中学段階では、志望校を細かく決めることより、「無理のない先取り」で進む学校授業を着実に理解し、英語・数学を中心に受験学力の土台をつくることを優先します。中3終了時に主要5教科が高1相当まで進む学校ですから、学校の授業を消化しきること自体が、そのまま受験の先行になります。そのうえで、高1までに「文系か理系か」「国公立まで視野に入れるか」「医学部を考えるか」といった大きな方向を仮置きし、高2以降の履修と学習時間の配分につなげます。文理相互必修の学校ですから、方向を仮置きしても“逆側”の基礎を完全に手放さない設計が、渋幕では素直に機能します。

「今は塾を急がない」という判断も、渋幕では立てやすい

最後に、正直なところを。渋幕は「無理のない先取り」を掲げ、シラバスで学習内容の道筋を示し、夏期には希望制の講習も用意されている学校です。習熟度別のクラス編成で競わせるのではなく、Aブロックでは少人数のクラス編成で基礎を固める設計でもあります。学校の授業を十分に消化し、自分で復習が回っているなら、今は塾を急がない、という判断が立てやすい環境です。外部の学習を足すのは、週6コマ×3教科の進度に復習が追いつかなくなったとき、部活や行事で特定教科の谷が深くなったとき。その場合も量を増やすこと自体を目的にせず、崩れた部分の立て直しと、学校課題・定期試験との両立を優先するのが、この学校の6年間には合っています。

高3の科目選択を迎える前には、志望先に必要な科目と現在地を一覧にし、「学校で深める科目」「自分で先に進める科目」「早めに補強する科目」を分けます。文理を越えて学ぶ渋幕の総合力を、難関大の入試で使える形へつなげていく設計です。

文責:リープエンジン編集部 ・ 最終更新 2026-07-30