渋谷教育学園渋谷中学高等学校

「自調自考」を軸に、探究と難関大進学を両立する都市型・共学校

渋谷教育学園渋谷中学高等学校(いわゆる「渋渋」・渋谷区渋谷1-21-18)は、渋谷駅から徒歩7分、明治神宮前駅から徒歩8分という都心の立地にありながら、学びに集中できる環境が整った共学校です。「21世紀に活躍する人材を育成し、新しい伝統づくりにいどむ進学校」を掲げ、教育の根幹には「自調自考(自ら調べ、自ら考える)」が置かれています。各学年は男女ほぼ半々の約200名、全校で606名という規模で、併設高への進学率はほぼ100%。中高6年を一体で設計できる学校です。

その6年間の形が、渋渋の場合ははっきりしています。中高6年間をA・B・Cの3つのブロックに分けた一貫教育——Aブロック(中1・2)で基礎学力の徹底、Bブロック(中3・高1)でより効率的な学習、Cブロック(高2・3)で大幅な選択科目と演習中心の授業——という3段階です。そして各学年のはじめに、学校独自の学習計画図「シラバス」が配布され、各教科でこれから何をどこまで学ぶのかを、生徒自身が最初に見渡せるようになっています。

もうひとつ、保護者の方に知っておいていただきたいのが、渋渋の「ノーチャイム制」です。授業の開始・終了のチャイムが鳴らず、生徒が自分で時間の管理を意識して行動する。校外研修も現地集合で、生徒たちが自分で行き方を調べて向かいます。シラバスで計画を配り、チャイムを鳴らさず、集合場所まで自分で調べさせる——渋渋は「計画と時間の管理を、学校が抱え込まずに生徒の手に渡す」設計が、時間割にも行事にも一貫している学校です。「自調自考」は理念の言葉ですが、その中身はこうした具体の積み重ねでできています。

これは裏を返すと、計画の使い方が学習成果を大きく左右するということでもあります。シラバスを活かして自分の学習を組み立てられれば大きく伸びる一方、配られた計画図を眺めるだけで日々の運用に落とせないと、「課題はこなしているのに点が伸びない」状態になりやすい。ここでは、渋渋の一日・一週間、数学・英語のつまずきどころと定期テスト対策、在学中の進路設計までを、実務目線で整理していきます。

一日と一週間——45分授業の細かい刻みと、第2・第4土曜のリズム

渋渋の一日は8時20分の登校に始まり、45分授業を6時限(火曜・金曜は7時限)、下校は17時30分(冬期は17時00分)です。学期は3学期制。土曜日は第2・第4土曜が休みで、それ以外の週は45分×4時限の通常授業があります。

家庭学習の設計で押さえたいのは、45分という短めの刻みで教科が細かく切り替わる時間割だという点です。1コマが短いぶん授業のテンポは締まりますが、その日のうちに複数教科の復習の起点が生まれます。加えて土曜が「ある週」と「ない週」が交互に来るリズムなので、週末の使い方を隔週で切り替える発想——土曜授業のある週は日曜に整理、休みの週は土曜に少し先まで進める、といった型——を早めに作っておくと、6年間を通して効いてきます。

渋渋の数学カリキュラムとつまずきやすいポイント

3段変速のカリキュラム——中3で高1相当まで、Cブロックで演習中心へ

渋渋の数学は、週あたり中1・中2で5コマ、中3で6コマが確保され、数量と図形の2分野に分けて系統的に学習する設計です。中3終了時には高1相当まで進み、Cブロック(高2・3)では演習中心の授業で実戦力を養成する——つまり「基礎を系統立てて積む→先へ進む→演習で仕上げる」という3段変速が、学校のカリキュラム自体に組み込まれています。

このタイプの進度で家庭が押さえておきたいのは、シラバスとの付き合い方です。各学年のはじめに配られる学習計画図には、その年に扱う内容が最初から示されています。つまり「テスト範囲を直前に知らされて慌てる」学校ではなく、「年度初めに全体像が渡されている」学校です。にもかかわらず、シラバスを4月に一度見たきりにしてしまうと、配られた計画の利点をまるごと手放すことになります。学期の節目ごとにシラバスへ戻り、「いまどこにいて、次に何が来るか」を親子で確認する——それだけで、進度の速さは脅威ではなく見通しに変わります。

数学でよくあるつまずき

  • 進度が先へ進むため、前の単元の理解の穴がそのまま次の単元の失点になる(数量・図形の系統学習は、積み残しが後から表面化しやすい)
  • 例題・基本は解けるのに、応用・発展で得点が伸びない
  • 授業ノート・問題集・プリントの整理が崩れ、「結局どれを復習すべきか」が曖昧になる
  • テスト前にまとめて追いつこうとして、範囲が終わらない

リープエンジンでのサポート(数学)

  • 渋渋のシラバスと進度(中3で高1相当)を前提に、「いつまでに何をどの深さまで固めるか」を学年ごとに具体化
  • 学校教材を「必須」「頻出」「発展」で仕分けし、定期テストと入試の両方を見据えた優先順位を明確化
  • 先取りで進んだ単元に残る理解の穴は、必要なところだけ戻って埋める復習設計で対応

渋渋の英語——週20コマの厚みを、読める・使える力に変える

英語が突出して厚い時間配分と、中学で高1内容を修了する設計

渋渋のカリキュラムでいちばん傾斜がはっきりしているのが英語です。週あたりのコマ数は中1・中2で7、中3で6。3年間の合計は20コマで、数学の16、国語の18を上回り、主要5教科の中で最も厚く時間が割かれています。各学年に1時間の英会話が含まれ、中1から外国人教師による少人数制の会話指導が置かれます。そして学校の説明どおり、英語は中学のうちに高1までの学習内容を修了します。

つまり渋渋の英語は、「量を確保して、会話も並行しながら、先へ進む」設計です。扱う英語の量が多いぶん、小テスト直前の暗記だけで回そうとすると、本文の読解・内容理解が置き去りになりやすいのが落とし穴です。週7コマは、ほぼ毎日英語の授業があるということ。だからこそ、毎日短い時間でも本文に戻って「内容を自分の言葉で言えるか」を確かめるルーティンが、時間配分の厚さを実力に変える近道になります。なお、中3から高2の希望者にはフランス語など5カ国語の第二外国語講座も開かれ、英語ディベート部・模擬国連部が活発に活動するなど、言葉で考え発信する文化が課外にも広がっています。

英語でよくあるつまずき

  • 小テストの直前暗記に偏り、語彙・構文が長文読解に結びつかない
  • 週のコマ数が多いぶん扱う本文・課題の総量も多く、消化が追いつかないまま次の範囲に入る
  • 文法問題は解けるのに、本文の内容を自分の言葉で説明できない
  • 英作文・スピーチで、言いたい内容はあるのに簡潔で正確な英語が出てこない

リープエンジンでのサポート(英語)

  • テスト範囲ごとに本文・ワーク・文法・小テスト類を整理し、2週間前までに1周→直前期に2周目が終わる逆算計画を作成
  • 本文は「内容を説明できるか」を軸に確認し、語彙と読解を同時に底上げ
  • 和文英訳・自由英作文の添削を通して、入試で評価される論理的で読みやすい英語の型を定着

渋渋の定期テストと6年間の学習設計——「配られた計画」を家庭でどう運用するか

シラバス・ノーチャイム・現地集合——自己管理を求める学校での家庭の役割

渋渋の6年間で保護者の方に意識していただきたいのは、この学校が一貫して「管理を生徒に渡す」設計だという点です。シラバスは配られる、チャイムは鳴らない、校外研修(中1鎌倉・中2信州・中3奈良)は現地集合。学校側は枠組みと計画図を用意し、日々の運用は生徒に委ねます。在校生自身が「校外研修は現地集合で、自分たちで行き方を調べます」と語るとおり、これは渋渋の日常です。

この設計は、自己管理の型が回っている生徒には最高の環境です。一方で、型がまだできていない段階では、「計画はあるのに実行が伴わない」ズレが静かに進行することがあります。ノーチャイムの学校で時間管理が身につくのと同じで、家庭でも「管理を代行する」のではなく「型ができるまでの足場を用意する」のが合っています。具体的には、シラバスを学期の節目に一緒に開く、テスト2週間前に範囲の1周が終わる逆算だけは一緒に立てる、といった関わり方です。

定期テストに向けた進め方の一例

  • 数学:教材を「例題・基本(必須)」「発展(上積み)」「弱点補強」に仕分けし、まず必須を2週間前までに一通り終える
  • 英語:本文の内容理解を先に固め、その後に問題演習で出題のされ方に合わせて得点化する
  • 直前期:間違えた問題だけをまとめたやり直しリストを作り、ケアレスミスと理解不足を分けて潰す

講習は三季にある——学校の補完機能も知っておく

渋渋には夏期・冬期・春期の長期休暇中の講習があり、中1・2は指名制、中3〜高3は希望制です。中1・2で指名制ということは、基礎の定着に不安のある段階では学校側から声がかかる仕組みがあるということ。習熟度別授業は置かれていない学校なので、日常の授業は全員が同じ土俵で進み、補強は長期休暇の講習で、という役割分担です。学校の補完機能がどこにあるかを知っておくと、外部の力をどこに足すべきかの判断も正確になります。

渋渋の進路設計——在学中の進路の組み立て

これは、渋渋にお子さんが通われているご家庭に向けた、在学中の進路設計の話です。ここまで見てきた「A・B・Cの3段変速」「計画を生徒に渡す設計」は、そのまま進路の組み立て方につながっています。

カリキュラムの終着点は、演習中心のCブロック

渋渋のカリキュラムは、Cブロック(高2・3)で大幅な選択科目を設定して各自の進路に対応し、難関大進学を見すえて主要5教科で演習中心の授業を展開する、と学校自身が明確に述べています。つまり6年間の設計図の終着点に「受験の実戦の場」が校内に用意されている学校です。卒業後の進路は、その春に大学へ進む層が多数派である一方、もう一年かけて第一志望を通しにいく層も一定数いる——難関に挑む生徒が多い学校らしい形です。指定校推薦の枠も用意されていますが、この構造の中では位置づけは選択肢のひとつで、本線はあくまで一般受験です。こうした進路の形は年度によって動きますので、実際の数字は学校配布資料や説明会でご確認ください。

だから、こう設計します

起点は、Cブロックで何を選ぶかです。高2からの大幅な選択科目は、裏を返せば「高1までに選べる状態を作っておく」必要があるということ。英語は中学で高1内容まで、数学は中3で高1相当まで進む学校ですから、AブロックとBブロックでの積み残しの有無が、Cブロックの選択の幅をそのまま決めます。中学のうちは進路を1本に絞るより、「どの教科も選択肢として残っている状態」を保つことが、渋渋での進路設計の実質です。海外研修(中3のオーストラリア語学研修、高1・2のアメリカ・イギリス短期研修、ベトナム・シンガポール研修)のような機会も、本線の学力が回っているほど、迷いなく選び取れます。

「今は塾を急がない」という選択も、正直にお伝えします

最後に、いちばん大切なことを。渋渋は、計画図が年度初めに配られ、三季の講習が置かれ、高2・3には演習中心の授業が待っている——つまり「計画」と「演習の場」を学校がすでに持っている学校です。シラバスに沿った復習の型が家庭で回っていて、その週の内容がその週のうちに定着しているなら、外から急いで枠を足す必要はありません。これが正直なところです。

塾の出番は、配られた計画と実行のあいだにズレが出てきた時です。先へ進む進度に復習が追いつかなくなった、英語の量に消化が追いつかない、テストのたびに「どれを復習すべきか」で迷っている——そんな時に、計画と日々の実行をつなぎ直す形で足せば十分です。管理を生徒に渡す渋渋の設計を尊重しながら、その自己管理の型が立ち上がるまでを支える。それがこの学校に合った外部の使い方だと考えています。

渋渋の6年間を、難関大までつながる学びに

渋渋は、シラバスとノーチャイムと現地集合の学校——「自調自考」を、理念でなく日常の仕組みとして持っている学校です。だからこそ、その仕組みに乗れた瞬間に一気に伸びます。鍵は、配られた計画を眺めるものから使うものに変えること。シラバスで見通しを持ち、45分×6〜7時限のリズムに復習の型を合わせ、定期テストで得点に変える——この運用が回れば、Cブロックの演習中心の授業が、そのまま受験の実戦の場になります。

リープエンジンは、中高一貫校専門の伴走役として、渋渋の授業設計(A・B・Cのブロック制/英語は中学で高1内容まで/数学は中3で高1相当)を踏まえ、「いつ・何を・どのレベルまで仕上げるか」を具体的に設計します。渋渋の6年間が、お子さまにとって自ら調べ、自ら考え、自分の進路を自分で選び取る時間になるよう、必要なところだけ、外部の力も賢く使っていきましょう。

文責:リープエンジン編集部 ・ 最終更新 2026-07-30