清泉女学院中学校・高等学校
65分の授業で「ふり返り」まで終える学校――清泉女学院の6年間の形
清泉女学院中学校・清泉女学院高等学校は、神奈川県鎌倉市の女子校です。JR線・湘南モノレールの大船駅からバスで5分、校舎は16世紀に築城された玉縄城跡に建っていて、窓からは江の島や富士山などを望むことができます。「めぐまれた自然の中で本当の学問に接し、豊かな感受性が育つ」を掲げ、6年間を通じて自己の生き方を探求する「ライフオリエンテーションプログラム」を実施する、心の教育を大切にする学校です。長野県に同名の学校がありますが、ここで扱うのは鎌倉の清泉女学院です。
学習面でまず押さえたいのは、時間の枠です。3学期制で、授業は1コマ65分×5時限。登校は8時40分、下校は17時(高校は17時30分)で、土曜は隔週で登校日を設け、午前中に探究活動などを実施します。学校はこの65分を「主体的・対話的で深い学び」を実現するための授業時間と位置づけ、1時限の中で「導入→実践→ふり返り」までのつながりを重視した授業を行うと説明しています。つまり、習う→使ってみる→確かめる、という復習の最初の一周が、授業のコマの中にすでに組み込まれている設計です。家庭学習の役割は「ゼロから復習を始める」ことではなく、「授業内のふり返りの続きから始める」ことになります。この違いが、清泉での定期テスト対策の出発点です。
もうひとつ、教室の構造として知っておきたいのが内進生の存在です。併設の小学校からの進学者が中1の約4割を占めます(昨春の実績で約39%)。中学受験を経て入った生徒と、併設小からの生徒が同じ教室で6年を始める――この前提を踏まえて、数学・英語・定期テスト・進路設計の順に整理していきます。
清泉女学院の数学カリキュラムとつまずきやすいポイント
中3から高校内容へ。65分1コマの密度が前提
清泉女学院の数学は、中1・2で基礎学力の育成をはかり、中3からは主要4教科で高校内容の学習を始めます。中3終了時の進度は高1相当までで、中高一貫校として標準的な先取りの形です。数学は中1から中3まで習熟度別授業が置かれ、理解度に合わせたクラスできめ細かく進みます。
時間量も見ておきましょう。65分×5時限制のため単純比較はできませんが、45分授業に換算すると、主要5教科の3年間合計は公立の課程の1.5倍近い時間量になります。1コマが65分と長く、その中で導入から実践、ふり返りまで進むので、1回の授業で扱う内容のまとまりが大きいのが特徴です。
ここにつまずきの芽があります。65分の授業は、その場で手を動かして確かめるところまで進むぶん、「授業中にできた」という手応えが残りやすい。ところが数学は、授業で1回解けたことと、時間を置いて自力で解けることの間に段差がある教科です。授業内のふり返りで一周目が終わっているからこそ、家庭ではその続き――時間を置いた二周目を、自分で回す必要があります。
数学でよくあるつまずき
- 授業内で「できた」手応えが残り、時間を置いた解き直しを省いてしまう(一周目と二周目の混同)
- 1コマの内容のまとまりが大きく、欠席や理解の穴が次のコマに響きやすい
- 中3で高校内容に入ってから、中学範囲の穴がどこにあるか見えにくくなる
リープエンジンでのサポート(数学)
- 「授業内のふり返り」を起点に、家庭学習を二周目・三周目として設計し、時間を置いた解き直しの型を作る
- 習熟度別クラスの進度に合わせ、中3からの高校内容に入る前に中学範囲の穴を点検する
- 定期テスト前は範囲を周回する計画に落とし、「授業でできた」を「テストで解ける」に変換する
清泉女学院の英語教育の特徴と対策
中1から3クラス。自分の入口に合った位置から始まる
清泉女学院の英語は、中1から3つのクラスに分かれます。帰国生試験・グローバル入試の合格者向け、英検3級以上取得者向け、そしてスタンダードの3クラスで、入学時点の英語経験に応じてきめ細かく指導する設計です。中1からの習熟度別はほかの教科にもありますが、入口の経験差が最も大きい英語で、最初から3つの入口を用意しているのが清泉らしいところです。
保護者の方に先にお伝えしたいのは、スタンダードクラスから始まることは遅れではない、ということです。3クラス制は「経験の差」を「スタート位置の違い」として整理する仕組みであって、序列ではありません。大切なのは、どのクラスであっても、単語と文法の基礎を毎週きちんと積むことです。英語は積み上げの教科なので、中1・2でつくった土台の質が、高校での伸びをそのまま左右します。
単語の覚え方には型があります。小テストの綴りに気を取られて「書けること」を優先しすぎると、長文が読めるようになりにくい。まず「見た瞬間に意味が出てくる」状態を量で作り、綴りは意味が定着したあとで仕上げる――この順序を家庭学習に入れるだけで、負担感が変わります。
英語でよくあるつまずき
- クラス分けの入口だけを気にして、毎週の積み上げの質に目が向かない
- 単語を「書けること」中心に覚え、「見て意味が出る」量が足りず、長文で失速する
- 授業内の発表・共有ではできているのに、答案に書く形になると点が伸びない
リープエンジンでのサポート(英語)
- 3クラスのどこにいても通用する「単語は意味先行・量で回す」型を家庭学習に接続
- 65分授業で一度通した本文を家庭でもう一周し、構文どり→音読→要約で「授業で読めた」を「自力で解ける」に仕上げる
- 学校の授業進度と英検などの外部の物差しを併走させ、現在地を定期的に確かめる
清泉女学院の定期テストと6年間の学習設計
清泉女学院の学習支援は、学校側の設えが手厚いのが特徴です。65分授業でふり返りまで学校が持ち、英・数は中1から習熟度別、国語は中1から高2まで習熟度別で、高2の国語には少人数授業もあります。長期休暇中の講習は中1が全員参加、中3から高3は希望制です。日々の学びの一周目を学校が確実に回してくれる設計、と言えます。
だからこそ定期テスト対策の焦点は、二周目以降を家庭でどう設計するかに絞られます。
- テスト範囲は複数回まわす前提で計画する。1周目で全体を通し、2周目は間違えた問題だけ、3周目で最終確認――「授業でできた」を1周目と数えず、自力で解き直した回数で数えるのがこつです
- 丸付けは1問ごとに答えを見ず、大問の終わりでまとめて行って「自力で解けたか」の判定を濁さない
- 隔週の土曜登校日と探究活動の予定を先にカレンダーへ入れ、テスト2週間前に範囲の1周が終わるよう逆算する
もうひとつ、清泉の6年間には探究の柱があります。中学3年間をかけて行う探究活動「My Story Project」です。「課題発見→情報収集→整理・分析→まとめ・表現」のプロセスを軸に、自分の探究内容に合わせた表現方法で考えを形にしていきます。3年間かけて自分の題を育てるこの活動は、定期テストとは別の時間軸で進むため、テスト前に探究のまとめが重なる週は負荷が上がります。学期の頭に両方の締め切りを見渡しておくと、直前で慌てずに済みます。
学校生活の面では、23のクラブに90%以上が参加し、清泉祭(文化祭)・体育祭・合唱祭が三大イベント。全日本合唱コンクールで3年連続金賞などの実績をもつ音楽部が熱心に活動し、クリスマスミサでは管弦楽部の伴奏でハレルヤコーラスを歌います。部活・行事に使う時間は家庭学習の変数ですから、「何を優先して仕上げるか」を先に決めておくことが、ここでも効いてきます。
清泉女学院の進路設計――在学中の進路の組み立て
これは、清泉女学院にお子さんが通われているご家庭に向けた、在学中の進路設計の話です。
清泉の進路は、他大学への一般受験が本線です。高校では高2から文系・理系に分かれ、習熟度別授業や多彩な選択科目により希望進路の実現をめざす設計で、卒業後は現役で4年制大学へ進んで決めきる形が基本の傾向です。指定校推薦の枠も一定数あり、選択肢のひとつとして、系列の清泉女子大学への高大接続入学試験や推薦入学制度という道もあります。ただしこれらはあくまで選択肢で、進路の主戦場は一般受験と考えて設計するのが実態に合います。こうした形は年度ごとに変わりますから、最新の数字は学校配布資料や説明会で確かめてください。
設計の起点は、高2の文理選択です。ここで数学を続けるかどうか、どの科目で勝負するかが決まるため、逆算すると中3〜高1の数学・英語の仕上がりが分かれ目になります。中3から高校内容が始まる清泉では、この時期の穴をためないことが、文理選択の自由度をそのまま広げます。
最後に、正直なところをお伝えします。清泉女学院は、65分授業で「導入→実践→ふり返り」まで学校が持ち、習熟度別授業と全員参加の講習(中1)で日々の学習を支える設計の学校です。授業内のふり返りの続きが家庭で回っていて、定期テストの周回が自力でできているなら、今は塾を急ぐ必要はありません。塾の出番は、その回転が崩れたときです。中3からの高校内容で復習が追いつかなくなった、部活・行事・探究が重なって特定の教科の谷が深くなった――そんなときに、崩れた部分だけを立て直す形で足せば十分です。
鎌倉の6年間を、将来につながる学びに
清泉女学院(鎌倉市城廻200)は、玉縄城跡の自然の中で、探究と心の教育に時間をかけて向き合える環境です。通学圏は神奈川県が98%と、地元に根ざした学校でもあります。リープエンジンは中高一貫校専門の伴走役として、清泉の授業設計(65分の「導入→実践→ふり返り」・中3からの高校内容・英語3クラス制)を踏まえ、「いつ・何を・どのレベルまで仕上げるか」を具体的に設計します。
なお、併設の小学校に通うご家庭から、中学進学を見据えた準備のご相談をいただくことがあります。リープエンジンでは小5からの中学準備プログラムをご用意しており、中1の教室で約4割を占める内進生のスタートを、英語・数学の土台づくりから支えます。