横浜女学院中学校・高等学校

65分×5時限の一日を、6年間の伸びにつなげるために

横浜女学院中学校・高等学校(横浜市中区山手町203)は、「可能性を最大限に引き出す、キリスト教にもとづく愛と誠の人間教育」を掲げる女子校です。JR根岸線・石川町駅の元町口から徒歩7分、朝の礼拝や「聖書」の授業のあるキリスト教教育の学校で、学校のメッセージには「Seek the highest.」高みをめざす中高6年間、という言葉が置かれています。

学習面でまず押さえておきたいのが、この学校の時間の枠です。横浜女学院は3学期制で、授業は1コマ65分×5時限。登校は8時15分、下校は17時30分が目安です。50分授業を6時限や7時限重ねる学校が多いなかで、横浜女学院は「1コマを長く取り、コマ数を絞る」設計を選んでいます。学校の説明によれば、この65分のなかで、他者と協働しながら、基礎的な知識をさまざまな活動に応用したり、自分の考えを表現したりできる力をつちかう、とされています。つまり65分は「50分の授業を引き延ばした時間」ではなく、講義+演習+協働的な活動をひとまとまりで回すための器なのです。

もうひとつの柱が、中1からの2クラス制です。オリジナル教材や先取学習で難関大学への合格をめざすアカデミークラスと、海外大学への進学も視野に英語に特化した授業を展開する国際教養クラス。同じ校舎のなかに、性格の異なる2本のカリキュラムが最初から走っています。この記事では、65分授業と2クラス制という横浜女学院の骨格を、数学・英語の家庭学習と定期テスト対策、そして6年間の進路設計にどうつなげるか、実務目線で整理していきます。

横浜女学院の数学カリキュラムとつまずきやすいポイント

コマ数の「見かけ」に注意――65分×週4コマの意味

横浜女学院の数学は、中1から中3まで各学年とも週4コマです。週あたりの主要5科は英5・数4・国4・社3・理3の計19コマで、3年間の合計は57コマ。公立の課程の計55コマと数字だけ並べると差が小さく見えますが、ここで必ず思い出したいのが、横浜女学院の1コマは65分だという点です。50分授業の学校とコマ数をそのまま並べて比較はできません。1コマあたりの中身が厚いぶん、実質の授業時間は数字の印象より多く確保されています。進度の面でも、中3終了時には数学を含む主要5科すべてが高1相当まで進む先取り型で、中高6年を見据えた設計になっています。

65分1コマは「1回の授業=1つの学習サイクル」

家庭学習の設計で効いてくるのは、65分という長さそのものです。65分の授業は、導入から演習・応用まで、1コマのなかでひとつの山を越える構成になりやすい。だからこそ復習も、「今日の数学のコマで、どの山を越えたか」を単位に組むのが合理的です。ノートやプリントを見返すとき、細切れの知識の羅列としてではなく、「このコマは何を導入して、どこまで応用したか」という一連の流れとして再現できるか――ここが、65分授業の学校での復習の質を分けます。授業内で演習まで進んでいるぶん、家では「授業内で解ききれなかった部分」と「時間を置いてもう一度解き直す部分」の切り分けが起点になります。

数学でよくあるつまずき

  • 65分の授業内で「分かった」体験があるため、家での解き直しを省き、時間を置くと再現できない状態に気づきにくい
  • アカデミークラスはオリジナル教材や先取学習で進むため、市販の標準的な問題集と進む順番が合わず、独学の補強がかみ合わない
  • 中3で高1相当まで進む先取り型のため、中学範囲の穴が高校内容の理解に直結する

リープエンジンでのサポート(数学)

  • 「1コマ=1サイクル」の授業構成に合わせ、授業ごとの到達点を確認しながら復習の優先順位を設計
  • 先取り進度(中3終了時に高1相当)を前提に、補助教材は学校の進み方との対応を取ってから選定
  • 解き直しは「時間を置いてもう一度」を型にし、テスト前にまとめて慌てない周回を習慣化

横浜女学院の英語教育の特徴と対策

週5コマ+英会話+CLIL――「使う英語」に厚い設計

横浜女学院の英語は、中1から中3まで各学年とも週5コマで、主要5科のなかで最も厚く取られています。各学年とも週のうち1時間は英会話で、英会話は少人数で、また英語は習熟度別で行われます。特色として挙げたいのが、他教科の内容や世界的な問題などを英語で学び、考察を深めるCLIL(内容言語統合型学習)です。国際教養クラスでは中3でCLILの授業があり、英語を「教科」としてだけでなく「考えるための道具」として使う場面が、カリキュラムのなかに組み込まれています。第二外国語(中国語・ドイツ語・スペイン語・韓国語)が置かれているのも、言語教育に軸足のある学校らしいところです。

そして中3では、全員参加のニュージーランド海外セミナーがあります。アカデミークラスは約10日間、国際教養クラスは約3週間。ホームステイをしながら語学学校に通ったり、現地の姉妹校で授業を受けたりする経験が、全員の中3に組み込まれている――これは英語学習の動機づけとして小さくない仕掛けです。

「使う英語」と「積み上げる英語」の両輪を意識する

保護者の方に押さえていただきたいのは、英会話・CLIL・海外セミナーといった「使う英語」の経験が豊かな学校ほど、家庭では「積み上げる英語」――語彙と文法の地道な蓄積――の管理が大切になる、という点です。使う場面で英語が楽しくなるのは大きな財産ですが、その楽しさを長文読解や英作文の得点力に変換するには、単語を見た瞬間に意味が出てくる状態を量で作り、文法を型として整理する足腰が要ります。65分授業で活動量が多いぶん、家庭学習では「今週増えた語彙・文法を、次の週に持ち越さず定着させる」回し方が軸になります。

英語でよくあるつまずき

  • 英会話や活動では発話できるのに、筆記の試験で語彙・文法の正確さが伴わない
  • 単語を「授業で使った」ことで覚えたつもりになり、初見の長文で意味が出てこない
  • 習熟度別授業の所属帯に一喜一憂し、全国基準での現在地を見ないまま学年が進む

リープエンジンでのサポート(英語)

  • 「使う英語」の経験を得点力につなぐため、語彙は「見て意味が出る」を先に、綴り・運用は後から仕上げる型を家庭学習に接続
  • 文法は活動のなかで触れた表現を体系の地図に位置づけ直し、試験で使える形に整理
  • 長文は音読→構文→要約の順で、授業の題材と受験レベルの橋渡しを設計

定期テストと6年間の学習設計――65分の授業を家庭でどう受けるか

横浜女学院の週の枠は、平日の65分×5時限に加え、土曜には「土曜チャレンジ」などの探究的な活動が置かれています。多種多様な講座から自分で選択して授業を受ける形で、教科の授業とは別の役割を持つ時間です。つまり教科の積み上げは平日の5時限に集中しており、定期テスト対策も「平日の授業をどれだけその週のうちに消化するか」が土台になります。

  • 復習の単位は「コマ」に合わせる。65分1コマで越えた山をひとまとまりに、その日の夜か翌日に短く再現する。細切れの暗記より、授業の流れごと思い出すほうが65分授業には合います
  • 試験範囲は複数回まわす。まず全体をひと通り、次は間違えた問題に絞り、最後に総点検。65分授業は1コマの内容が濃いぶん、1周だけでは「授業では分かった」水準で止まりがちです
  • 部活と行事の時期を先に見ておく。約25ある部・同好会には9割以上が加入し、チアリーディング部・ダンス部・バレーボール部は全国レベル。なでしこ祭(文化祭)・体育祭・コーラスコンクールの三大イベントの前後は、家庭学習が細る前提で試験日程から逆算しておくと崩れません
  • 学校のサポートを使い切る。長期休暇中の講習は指名制(中1〜3)と希望制(中1〜高3)があり、ナイト講習などの学習サポートも用意されています。まず校内の仕組みで穴を埋め、それでも残る部分を外で補う、という順番が経済的にも学習的にも合理的です

横浜女学院の進路設計――2クラス・2本立ての本線を読む

これは、横浜女学院にお子さんが通われているご家庭・進学を検討中のご家庭に向けた、6年間の進路設計の話です。

進路の「形」をどう読むか

横浜女学院の進路の骨格は、中1から始まる2クラス制にすでに表れています。アカデミークラスは難関大学への合格をめざす本線、国際教養クラスは海外大学への進学も視野に入れた本線。高2からはいずれのクラスも文理別となり、長期休業中の講習やナイト講習といった学習サポートとあわせて、希望の実現に備える設計です。併設高への進学率は約91%で、中学からの6年間を通しで使う前提の学校と言えます。卒業後の進路は、現役で4年制大学へ進んで決めきる形が基本線で、指定校推薦の枠も一定程度ありますが、難関大学や海外大学を視野に入れるなら、主戦場は一般受験(海外なら出願準備)です。なお、クラス編成やカリキュラムの詳細は年度により変わりますので、最新の内容は学校の配布資料や説明会でご確認ください。

だから、こう設計します

起点は、どちらの本線で勝負するかです。アカデミーの筋なら、先取り進度(中3終了時に高1相当)を活かして、高2の文理選択までに英数の足腰を全国基準で固めておくこと。国際教養の筋なら、CLILや約3週間のニュージーランドセミナーで育つ「使う英語」を、出願や資格試験で証明できる形に変換していくこと。どちらの場合も、高2の文理別からが本番ではなく、中学のうちに「どちらの物差しで自分を測るか」を家庭で言葉にしておくと、6年間の使い方が変わります。

「今は塾を急がない」という選択も、正直にお伝えします

横浜女学院には、この判断を後押しする事実があります。職員室に「壁」も「ドア」もなく、生徒は廊下からきままに立ち寄ることができる――在校生からも「職員室には壁がない」「勉強はもとより友人関係も気軽に相談できる」という声が紹介されています。質問や相談の敷居が物理的に低く、さらに指名制・希望制の講習やナイト講習まで校内に揃っている。この環境で、授業の消化がその週のうちに回り、分からない箇所を先生に聞きに行く習慣が立っているなら、外から急いで枠を足す必要はありません。

塾の出番は、その循環が崩れたときです。65分授業の消化が追いつかなくなった、先取りの進度に対して中学範囲の穴が見え始めた、全国基準での現在地を測る物差しが欲しくなった――そんなときに、崩れた部分だけを立て直す形で足せば十分です。

横浜女学院の6年間を、将来につながる学びに

横浜女学院は、65分の授業で協働と応用まで踏み込み、2つのクラスで異なる本線を最初から用意し、壁のない職員室で日々の質問を受け止める――「高みをめざす」6年間を、仕組みで支えている学校です。だからこそ家庭側の鍵は、その仕組みに家庭学習のリズムを合わせること、そして校内の物差しと全国の物差しを両方持つことに絞られます。

リープエンジンは、中高一貫校専門の伴走役として、横浜女学院の授業設計(65分×5時限・先取り進度・2クラス制)を前提に、「いつ・何を・どのレベルまで仕上げるか」を具体的に設計します。必要になったときに、必要な分だけ。まずは学習の現状整理からでも、お気軽にご相談ください。

文責:リープエンジン編集部 ・ 最終更新 2026-07-31