フォーカスゴールド
フォーカスゴールドをお使いの方へ
『Focus Gold』(啓林館)——フォーカスゴールドは、日常学習から共通テスト・二次試験までを一冊で扱う網羅系の数学参考書で、中高一貫校の採用教材としてよく見かけます。分厚い一冊を学校から渡されて、「これをどう使えばいいのか」と親子で顔を見合わせた、というご家庭も多いのではないでしょうか。この記事は、フォーカスゴールドを配られた中高一貫校のご家庭に向けて、LE の考える使い方をまとめたものです。
数研出版のチャート式と並んで語られることの多い本ですが、どちらが上という話ではありません。学校がどちらを配るかで決まる——それが実際のところで、配られた一冊とどうつき合うかだけが本題です。
紙面は例題が軸です。例題ごとに考え方を示す欄と、解法の要点をまとめた欄が付き、確認用の問いが続きます。例題には難易度の段階表示があり、巻の後半には入試演習へ踏み込む章も収められています。学校採用向けには別冊の解答編が付き、詳しい解答はそちらに収められる設計です。細かな章立てや付録は版によって変わるので、手元の一冊の巻頭にある構成説明を一度読んでおくことをおすすめします。ここで押さえてほしいのは一点だけ——教科書レベルから難関大レベルまでが一冊に入っている、つまり分量が非常に多い本だということです。
いつ役に立つのか
網羅系参考書との正しいつき合い方は、フォーカスゴールドでも変わりません。定期テストのたびに、試験範囲を2〜3周する。これに尽きます。範囲ごとに手を入れてきた一冊は、印と書き込みの跡ごと、受験期に自分専用の索引として機能します。入試演習でつまずいた問題の型を引き、「これはいつの試験範囲でやった」という記憶ごと呼び出せる状態。網羅系が本当に力を発揮するのは、この状態になったときです。フォーカスゴールドは難度の上限が高い本なので、こうして育てた一冊は難関大の演習期まで現役で使えます。
裏を返せば、ほとんど手つかずのフォーカスゴールドを、高2から受験対策の主軸として一気に消化しようとするのは得策ではありません。教科書レベルから難関大レベルまでの厚みを、限られた時間で頭から進める計画は、まず持ちません。かつては「網羅系を何周もして解法を頭に入れる」勉強法がひとつの王道とされましたが、それは受験情報も指導へのアクセスも乏しかった時代の方法です。解説動画も検索もある現在、しかも塾に通える環境にある生徒さんなら、やるべき問題を見きわめてもらい、演習の時間そのものを買うほうが、はるかに割が良い。手つかずのまま高2を迎えてしまった場合は、一冊をやり直すのではなく、いまの自分に必要な範囲と難易度だけを選び直すことになります。その選び直しこそ、指導者の目が要るところです。
定期テスト期の使い方
- 1周目は、試験範囲の例題を、考え方の欄を見ずに自力で解きます。解けなければ印をつけ、考え方に目を通したうえで解き直します。
- 2周目は、印が付いた例題とその確認問題。学校の指定課題もこの周で消化します。
- 3周目は、印の消えない問題だけ。難易度表示の高い例題や入試演習の章まで踏み込むかは、学校の出題傾向と残り時間で判断します。
学校の進度が速い場合——高1で数IIに入るような学校では、範囲ごとに決着をつけてきたかどうかが高2以降の伸びを左右します。崩れたときの戻り先を判断するうえでも、「その範囲の試験のときに仕上げた」という事実があとから効いてきます。
もうひとつ、フォーカスゴールド特有の注意を。この本は上限が高いぶん、まじめな生徒ほど「難しい例題まで全部やらなければ」と抱え込みがちです。定期テスト期に触るべき難易度の上限は、学校の試験のレベルが教えてくれます。過去の試験問題と照らして、出ない水準の例題は堂々と後回しにする。この割り切りができるかどうかで、この本の消化効率は大きく変わります。
塾を活用したフォーカスゴールドの勉強法
フォーカスゴールドは、仕上げれば難関大まで見通せる懐の深い一冊です。だからこそ、「どこまでやるか」の線引きがむずかしい。試験範囲の中でどの例題を飛ばしてよいか、入試演習の章にいつ踏み込むか、印が消えない問題の原因が計算力なのか理解なのか——ここを生徒ひとりで判断させると、時間がいくらあっても足りません。LE は東京の中高一貫校専門の塾として、各校の進度と試験に合わせてこの線引きを日常的に行なっています。フォーカスゴールドをどう扱うか決めかねている方は、お問い合わせからご連絡ください。手元の一冊を、六年間の資産に変えるお手伝いをします。