サクシード
サクシードをお使いの方へ
『サクシード』(数研出版)は、同社の教科書に準拠した学校採用専用の傍用問題集です。役割としては同じ数研出版の 4STEP とよく似ていて、学校の授業に沿って進め、定期テストの課題範囲として使う本。保護者様の世代には 4STEP のほうがなじみ深いかもしれませんが、いま学校がサクシードを選んだのなら、そこには紙面設計の好みが反映されています。この記事では、サクシードならではの設計と、その生かし方をまとめます。
サクシードの紙面は見開きで完結するように作られています。左ページに重要例題と解法のポイント、右ページに A・B・発展の3段階の問題。右ページの各問題には、対応するポイントの番号が添えられています。問題を解いていて手が止まったら、視線を左に動かせば手がかりがある——詰まったときに自力で一歩戻れる導線が、紙面そのものに組み込まれているわけです。問題がひたすら並ぶ型の傍用問題集と比べたとき、これがサクシードの学習設計上の個性です。自習で手が止まりやすい生徒さん、まだ「わからないときに何を見ればいいか」が身についていない生徒さんには、この設計が効きます。
「解答が簡潔」は弱点か
傍用問題集全般に向けられる「解答が簡潔で不親切」という批判は、サクシードにも向けられることがあります。しかし、学校採用のサクシードには別売の詳しい解答編が用意されており、解答の方針や別解まで扱われています。近年の版では、思考力を問う問題に解説動画へつながる二次元コードが付くなど、確かめる手段はむしろ充実してきています。学校経由で解答編とともに手にする形なら、本体の簡潔さは不便ではありません。
むしろ私は、この簡潔さを積極的に評価しています。飾りの少ない紙面は、解く行為に集中させてくれます。長い解説を読み込むより、まず解く。詰まったら左ページのポイントに戻る。それでも詰まったら解答編。最後は先生に聞く。質問できる環境がある生徒さんなら、この「わからないところだけ人に頼る」流れがいちばん速い。世の中には、解説の分厚さで安心させてくれる参考書もありますが、読んでいる時間の割に手が動いておらず、結果として遠回りになっているケースを、私は現場で何度も見てきました。教材は、読んだ充実感ではなく、解いた事実で選ぶ・使うのが正解です。
定期テスト期の使い方
- 授業の進行に合わせて A 問題を解き進めます。左ページの例題は「先に読む」のではなく、詰まったときに戻る場所として使ってください。先に読んでから解くと確認作業になってしまい、自力で考える時間が消えます。
- 試験2週間前までに範囲の A 問題を終え、B 問題へ。発展問題まで踏み込むかは、学校の出題傾向で判断します。提出課題もこの流れの中で片づきます。
- 解けなかった問題には印をつけ、直前は印の問題だけをもう一周。ポイントを見ても解答編を読んでも腑に落ちない問題が、先生に聞くべき問題です。
ここまでの手順は 4STEP の記事に書いたものとほぼ同じですが、サクシードには見開きの導線があるぶん、1周目の「自力で粘る」時間を作りやすい。この利点は、先に例題を読んでしまう使い方をすると消えてしまいます。紙面の設計に乗るか乗らないかで、同じ一冊から得られるものが変わります。
受験期にどう扱うか
サクシードは学校の授業と定期テストのための問題集で、受験勉強の主軸にする教材ではありません。ただ、範囲ごとに回してきた蓄積は基礎の土台として残ります。受験期に基礎の穴が見つかったとき、印をつけながら使い込んだ一冊は、どこへ戻ればよいかを教えてくれます。逆に手つかずのサクシードを高2から受験用に持ち出す意味は薄く、その段階では入試向けの演習教材に進むほうが自然です。
塾を活用したサクシードの勉強法
サクシードは自習との相性がよい傍用問題集ですが、それでも「B 問題から先へ進めない」「印が消えない問題の原因がわからない」という壁は必ず来ます。その壁をその週のうちに越えられるかどうかが、数学の成績の分かれ目です。LE は東京の中高一貫校専門の塾として、各校の課題運用に合わせた消化の管理と、質問の受け皿を用意しています。サクシードの回し方で困ったら、お問い合わせからご連絡ください。紙面の設計を生かした勉強の形を、一緒に作ります。