STEP演習

STEP演習を​お使いの​方​へ

中学に入学して最初の数学の授業で、見慣れない問題集が配られた——『教科書準拠 STEP演習 中学数学』(数研出版・全3冊)は、そういう出会い方をすることの多い教材です。この記事で扱っている他の傍用問題集(4STEP・サクシード)が高校数学のものであるのに対し、STEP演習は中学数学の問題集です。そして数研出版が中高一貫校向けの書籍として案内している教材であり、一貫校の授業時間数と速い進度を前提に作られているのが最大の特徴です。お子さんが学校からこの本を配られているなら、それは学校が「検定教科書の標準ペースでは進まない」授業を組んでいるサインでもあります。

紙面は、基礎的な問題から応用へと段階的に並ぶ構成で、計算の反復練習にあてるドリル、教科書本文のレベルを超える例題、章末や学年末には思考力を試す問題が置かれています。一冊の本体はおよそ200ページ。そして別冊の解答編が本体の半分ほどの厚みで付いてきます。この別冊の存在が、この問題集とのつき合い方を決めます。

「解答が​簡潔」の​利点を、​中学の​うちに​知る

傍用問題集は解答が素っ気ない、と言われます。しかし STEP演習のように詳しい別冊解答が付く教材なら、事情は変わります。本体はすっきりと問題に集中させ、確かめは別冊で行ない、それでもわからないところだけ先生に聞く。質問できる環境さえあれば、この「自分で解く→答え合わせ→わからない所だけ人に頼る」という流れが、いちばん無駄のない勉強の形です。

これは、実は中学1年生にこそ伝えたい話です。世の中には色刷りで解説がぎっしりの教材もあり、一見そちらのほうが親切に見えます。けれど、数学の力は読んだ量ではなく解いた量で決まります。解説を読み込んで理解した気になる勉強と、手を動かして詰まった所だけ解決する勉強——後者の型を中学のうちに体で覚えた生徒は、高校に上がって 4STEP やサクシードのような高校数学の傍用問題集に出会ったとき、そのまま同じ型で走れます。STEP演習は、その型を身につける最初の練習台としてよくできた教材です。

定期テスト期の​使い方

一貫校の数学は進度が速く、一度ためると取り返しに時間がかかります。STEP演習の運用は「ためない」が第一です。

  • 授業で単元が進むたびに、その週のうちに対応する基礎の問題を解きます。試験前にまとめてやる方式は、進度の速い学校では破綻しやすいやり方です。計算単元はドリルで手を速くしておくと、あとの単元が楽になります。
  • 試験2週間前からは、範囲の応用問題と、間違えた問題の解き直しに切り替えます。提出課題がある場合は、この流れの中で自然に仕上がります。
  • 別冊解答を読んでも納得できない問題に印をつけ、それだけを先生に聞きます。「全部わからない」ではなく「ここがわからない」まで絞れた質問は、返ってくる答えの精度も上がります。この質問の絞り方も、中学のうちに覚えたい技術です。

中1 の最初の試験は、小学校のテストとの違い(範囲の広さ・提出物・答案の書き方)に戸惑いが出やすいところです。最初の一回で「ためると苦しい」ことを学べれば、それはむしろ良い授業料だと思って、次の試験から運用を整えれば十分です。

体系数学と​あわせて​使っている​場合

学校が教科書として『体系数学』を使い、問題集として STEP演習を配っている、という組み合わせは中高一貫校でよく見られます。この場合、進度の速さは教科書側の設計に由来します。体系数学は知識を系統別に再編成した教科書で、中学の内容を約2年で走り抜ける前提の作りです。速さの理由と付き合い方は体系数学の記事にまとめてあるので、あわせてお読みください。教科書で速く進み、STEP演習で手を動かして定着させる——この分担がわかっていると、日々の家庭学習で何を優先すべきかが見えやすくなります。

塾を​活用した​ STEP演習の​勉強法

中学段階の数学でこわいのは、つまずきそのものより「速い進度の中で、わからないまま次の単元が来る」ことです。STEP演習は良い教材ですが、教材は詰まった生徒を自力では救えません。詰まりをその週のうちに解消する仕組みを、家庭の外に持てるかどうか。LE は東京の中高一貫校専門の塾として、中1からの学習習慣づくりと、各校の進度に合わせた日々の消化・質問の受け皿を用意しています。STEP演習の進め方、中学数学の家庭学習にお悩みの方は、お問い合わせからご相談ください。

文責:リープエンジン編集部