センター理科の講評と今後の対策

講師よりセンター理科の講評です。

理科は全ての科目で形式に変化はありませんでした。

【物理】
問題の量が減った分,計算力や考察力を試される問題が増えました。
教科書の理解がしっかりしていれば切り抜けられたと思います。

【化学】
典型的な知識問題が多く,あまり差がつかなかったかもしれません。計算量はやや増加しました。
落ち着いて解くことができれば過去問より高得点がとれたのではないでしょうか。

【生物】
形式の変化はありませんが、設問数は増加しました。
また問題も難しいものが多く,時間もかかり大変だったと思います。
総合的な理解と考察力が求められる分野横断的な問題も多く出題され,大きな視点で理解できているかがポイントとなりました。

【地学】
用語などの正確な理解と、図・グラフを正確に読み取る力が求められました。
考察問題も例年より難しく,計算量も増えたため焦ったかもしれません。

今後の対策
全体的に考察力を見る問題が増加しました。教科書の正確な理解と,いろいろな問題に触れてきたかどうかが鍵となりました。
各科目の平均点などもチェックすると思いますが,それよりも「自分の間違えやすい箇所」のチェックの方が重要です。
基礎知識・計算力・考察力など,人によってこれから伸ばすべきポイントは変わってきます。今後効果的な勉強を進めるためにも,自分の現状をしっかり把握しましょう。

センター国語の講評と今後の対策

国語講師より総評です。
全体的に文章が短く出題され時間的余裕をもつことができたと思います。
評論は文章の論理的つながりをたどるのに少々苦労したかもしれません。

第1問(現代文・評論)
「暮らし」のなかで人々が身の回りの空間とどのように関わるのかについて論じたもので,昨年よりもやや文章量が少なくなっています。
本文は抽象的、観念的な表現が多く、読み取りが難しかったと思われます。本文の論理的なつながりが正確にたどれないと、誤りの選択肢に引っかかってしまったかもしれません。
漢字は第一問がやや難しかったです。

第2問(現代文・小説)
文章量は少なめで,設問も例年並の難易度でした。
「私」の境遇を「たま虫」に投影する形で書かれており、その状況下での主人公の心情をうまく汲み取れるかどうかが鍵となっていました。出題意図がつかみづらく、消去法に頼らなければ答えが出しにくい問題も見られたものの、小説の過去問で演習してきた人にとっては真新しいものではなかったと思います。

第3問(古文)
本文は昨年よりも大幅に短くなり、和歌を含むものの読みやすい文章でした。
文法問題は基本的なもので,基礎的な勉強が功を奏したことでしょう。
ただ前後の脈略も見て解く必要がある出題もあり,文法理解に加え読解も必要であることがわかります。

第4問(漢文)
文章をしっかり理解しようとすると難しかったかもしれませんが,設問自体は標準的な問題でした。
新たに出題された問7では、全文の理解が問われましたが,これも設問としては難易度は高くありません。センターでは新しい設問が出題されることがあるので,面食らわずに対応していきたいところです。

今後の対策
個別試験では設問形態は異なるものの,文章読解の仕方が変わるわけではありません。今回足りない部分があれば見直し,新たな問題形式に備えてください。記述式問題では,設問で聞かれていることにそのまま答えることが大事です。自分の解答が,設問文への直接的な答えになっているか,しっかりチェックしましょう。